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第280章 一剣で断ち切る昔の心の結び

北原秀次と冬美は、北原家でさらに二日間休養を取った。

実際、二人には大きな問題はなかった。二人で寄り添って暖を取っていたため、それほど寒さに苦しむことはなく、40時間の空腹は確かに不快ではあったものの、大きな損傷とは言えなかった。流動食を一度摂取して眠りについた後、朝には7分目まで食事をし、完全に回復した様子だった。むしろ冬美は普段より多く眠れたおかげで、いつもより元気そうに見えた。その一方で、北原夫妻、福沢众、そして鈴木といった救助隊のメンバーは疲労困憊で、なかなか体力が戻らなかった。

二人の休養というよりも、むしろ二人以外の人々が二日間しっかりと休養を取ったというべきだった。

みんなが回復したのは一月六日になってからで、北原秀次は皆を連れて名古屋に戻り、学業を続けることにした。帰りには半日かかり、福沢家でもう一日休んで雑事を片付ければ冬休みは終わり、学校に戻る時期となっていた。

北原一花は名残惜しく思ったが、引き止められないことも分かっていた。山の産物や乾燥果物、地元の特産品をたくさん持たせ、さらに北原拓の大型トラックで町はずれまで見送った。

冬美は弟妹たちと共に丁寧にお辞儀をして、心を込めて言った。「北原伯父さま、一花おばさま、この数日間ご迷惑をおかけしました!」

北原拓は口下手で、ただ手をこすりながら干笑いするだけだったが、北原一花は涙を拭いながら言った。「そんなことないわ、冬美ちゃん。危険な目に遭わせてしまって、怒らないでいてくれるだけでありがたいわ。」

「一花おばさま、あれは事故です。どうかお気になさらないでください!私はここでとても楽しく過ごさせていただきました。おばさまが...とても親しみやすい方で。」冬美は何度も丁寧にお辞儀を繰り返した。福沢家の体面を保つためにも必死で、今でも淑女を演じていたが、北原一花の前では突然少し恥ずかしくなった。

雪里も近寄ってきて、北原一花の手を取って嬉しそうに言った。「そうですよ、一花ママ、何も問題なかったんですから、もう心配なさらないで!笑顔でお別れしましょう!」

北原一花は目尻を軽く拭い、雪里の手を握り返しながら安堵の表情で言った。「その通りね、雪里ちゃん。楽しく別れましょう。」

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