それに、彼女は北原秀次の人品を信頼していた。二姉は毎日彼の彼女や婚約者になりたがって、明日にでも結婚して学校に行かなくて済むようにと願っているのに、彼は抱きしめたりキスしたりすることさえなく、決して利用することもない、本当の君子だ!
唯一の人品の汚点といえば、おそらく自分の姉の...あれを覗き見るのが好きということくらいだろう。それ以外にはない。男子学生として、女の子を覗き見るのは大きな過ちとは言えず、青春期の衝動として許容できる。
彼女はベッドに座って静かに答えた:「今日は秋太郎と小四、小五が一緒に寝ているから、お兄さんはすぐにそちらへ行って!」
「一緒に行こう!」北原秀次はドアノブがそっと回るのを見て、手近な椅子を取って音もなくドアに押し当てた。ドアの外で回してみたがドアが開かず、鍵がかかっていると思ったのか、そっと鍵穴を突っつき始めた。
北原秀次はそれを気にせず、春菜を背負って窓から出た。まずはこれらの子供たちを自分の手元に確保し、それから適当な武器を探すか、なければ奪い取って、この五人に白刃を入れ、緑の刃を出し、彼らの胆を刺してやろう。自分の縄張りで暴れ回る勇気がどこにあるのか、見てやりたいものだ。
福沢家は彼の保護下にあり、小ロブヘッドを筆頭とするこの塩卵たちは、それぞれ問題はあるものの、歪んでいるとは言えない。少なくとも心は悪くなく、良い人とは言えないまでも悪人とは言えない。だから彼は、この家族が理由もなく傷つけられることを許すわけにはいかなかった。
彼はまた少し怒っていた。自分自身に対する怒りだ。
油断していたな。明日泥棒を現行犯で捕まえようと、うまい計画を立てていたのに、結果的に福泽直炳がその夜のうちに手下を連れて押し寄せ、一網打尽にしようとしているかもしれない。
福泽直炳はすでに何度か潜入捜索を行っていたかもしれず、何も見つからなかったため、冬美が秘密を握っていると疑い始め、尋問しに来たのかもしれない。
兄の家族を静かに制圧し、弟妹たちを人質に取って冬美から秘密を聞き出し、そして...殺人も考えられる!
もし本当に極めて価値の高い宝物、例えば10億円で売れるようなものなら、そのために一家惨殺事件を起こしても不思議ではない。日本でも以前そういった事件があったが、今でも未解決のままだ!
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