百次郎は一時的に北原秀次のところに住み着いた。小野陽子の言う通り、犬としては賢い方で、騒がず静かで、北原秀次に迷惑をかけることもほとんどなかったため、北原秀次も彼をそのまま置いておくことにした。時間が経つにつれ、時々この犬の媚びを売るような顔を見ると、なかなか面白いと感じるようになった。
小野陽子は毎日放課後に百次郎と遊びに来て、安価な食べ物を持ってきていた。それが自分の口から節約したものなのか、またはゴミ拾いで得たものなのかは分からなかった。彼女もとても行儀がよく、廊下で百次郎と走り回って遊ぶだけで、北原秀次のアパートには入らなかった。おそらく手土産がないので遠慮していたか、北原秀次の勉強の邪魔をしたくなかったのだろう。
北原秀次は「文武両道」を実践し、体力と活力値が許す限り剣術の練習をし、疲れたら読書や問題を解いた。半月が経ち、目の下にクマができたものの、精神は依然として旺盛だった——この世界には耐えられない苦しみなどない。痛みに耐えられ、怠惰に支配されなければ、一日でできることは想像以上だと気づくだろう。
小ロブヘッドの福泽冬美については、この頃会うたびに北原秀次に当たり散らすのが習慣になっていた——どこからそんな怨念が湧いてくるのか彼女自身も分からないが、北原秀次を見るとすぐに不機嫌になり、まるで彼をストレス解消の対象にしているかのようだった。
しかし、両者とも機会を見つけられず、大きな衝突には至らなかったが、それでも北原秀次にとっては十分煩わしく、この小ロブヘッドが少し嫌になってきていた。
……
深夜のアパートで、北原秀次はそっとペンを置き、試験用紙を見直して満足げに頷いた。彼の学力は回復しつつあり、高校1年生の基本的な内容には特に問題がないようだったが、油断はできなかった。特進科の有望な生徒を選抜するため、高校1年生の最終テストには多くの応用問題があるという噂があったからだ。
特に国史などは、同級生に比べて大幅に遅れを取っていた。やはり日本の歴史には馴染みがなく、一から学ぶ必要があった。国語も悩ましく、和歌のような「忘上川、川之忘水之忘、忘而憂憂而忘」といったものに出会うと、【日本語】スキルでさえ混乱してしまう。やはりスキルレベルが足りないのだろう、さらなる修練が必要だ。
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