翌朝早く、北原秀次は「あと5分寝かせて」という誘惑に耐えながらベッドから起き上がり、顔を洗い、しばらくぼーっとしてから木刀を持って朝のジョギングに出かけた——今では剣術の練習で朝の運動の大半を代替していた。
普段この時間は百次郎(ひゃくじろう)にとって貴重な散歩時間で、排泄以外にも、あちこちにマーキングして縄張りを主張するのが楽しみだったが、今日は少し走っただけで元気がなく、下腹部を舐めようとばかりしていた。
北原秀次は様子がおかしいと感じ、百次郎を抱き上げてお腹を確認すると、確かに毛が一部擦れて取れていたが、皮膚は傷ついていなかった。大きな怪我ではなさそうで、おそらく最近肉を食べ過ぎて胃腸の調子が悪いのだろうと考え、そのまま放っておくことにした。
朝の運動を終えた後、特に百次郎の餌を少なめにして、食べ過ぎによる不調を防ぐため二日間ほど節食させることにし、その後学校へと向かった。
教室に着いても、クラスの活動には参加せず、黙々と自分の勉強に取り組んでいた。しばらくすると式島律がやってきた——最近は日に日に早く来るようになっていたが、その理由は分からなかった。
「北原君、おはようございます!」彼は入室するなり北原秀次の元へ駆け寄り、礼儀正しく挨拶をした。額には薄く汗が浮かんでいた。
北原秀次が顔を上げて彼を見ると、今日も相変わらずイケメンだった——式島律は少し痩せ気味だが、背筋はピンと伸びていた。肌は白く、整った顔立ちで全体的に清秀で優雅な印象を与え、さらに重要なのは、温和で心地よい雰囲気を持っていることだった。
とにかく式島律はかなりイケメン、というかむしろ美男子で、アイドルグループのメンバーと比べてもそん色ないと感じた——噂によると女子からの評判も極めて良く、唯一の減点要素は内田雄馬といつも一緒にいることくらいだった。
彼も笑顔で挨拶を返した。「おはよう、阿律」そして少し間を置いて、また笑って言った。「そうだ、本を返すよ。ありがとう」そう言ってバックパックから補習用教材を取り出して式島律に渡し、ノートも一緒に添えた。
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