140 援軍

テダミラ川で、激しい戦闘が繰り広げられていた。

海夏は海上封鎖を担当し、出海口には海軍艦隊が駐留していた。その大半は戦艦で、大口径の連装艦載砲を搭載し、十数キロメートル先の河面上の萌芽の船団を遠距離から砲撃していた。砲口からの炎は十数メートルも噴き出し、高速の砲弾は放物線を描いて夜空を切り裂き、萌芽の船団に大きな損害を与えていた。

艦隊の駆逐艦は戦闘開始時に数発の巡航ミサイルを発射したが、すべて萌芽船団の対空砲火によって空中で撃ち落とされた。それ以降は発砲を控え、封鎖線の維持に徹していた。

指揮艦「飛翔するナイフエッジ号」は、陣形の中央に位置していた。

「敵は出海口の機雷原まであと12キロメートルだ。敵に罠を解く時間を与えるな。雄鹿号、赤い魚号、短尾鮫号は魚雷の装填を準備しろ。萌芽船団が海域に入ったら即座に発射だ。一発でも多く食らわせてやれ……戦艦部隊は現在の攻撃強度を維持しろ。ソナーは周辺海域の警戒を怠るな、萌芽の援軍が現れる可能性がある。星龍に通達を出せ、地上部隊は適度に逃がすように。萌芽の海上部隊の滞留時間を稼ぐんだ……星龍指揮官に伝えろ、我々はいつでも彼らの突撃部隊を必要としている！」飛翔するナイフエッジ号上の海夏指揮官は冷静に指示を出していた。

一方、近くの軍事基地から発進した戦闘機群は忠実に萌芽の船団を攪乱し、主に爆撃を行い、萌芽船団に大きな打撃を与えていた。幸運な砲弾が艦載機関砲の迎撃網をすり抜け、三隻の船がそうして撃沈された。船団は主に撤退を目的としており、装備も不十分で、高速で飛行する戦闘機を捕捉することができず、ましてや撃墜など望むべくもなかった。

しかし萌芽には独自の対処法があった！

横空を掠める戦闘機が再び弾薬を投下し終え、パイロットが旋回しようとした瞬間、突如として黒い霧が彼の傍らで炸裂し、一つの人影が虚空から現れた。アイシャドウを塗り、ピアスをつけた妖しい男で、手にした利刃で素早くパイロットの喉を掻き切り、鮮血がコックピットの窓に飛び散った。

戦闘機は操縦士の前のめりになった死体とともに墜落し、この妖しい男は冷たく笑うと、再び消失し、黒い霧だけを残した。

テレポート異能力者！萌芽の暗殺執行官、ルイニット。

一隻の艀の上で、ハイラは船首に立ち、硝煙の匂いを含んだ海風が微かにカールした赤い長髪を揺らす中、深く息を吸い込んだ。両手を太陽を讃えるように高く掲げると、灰色の気流が戦場の新鮮な死体から漏れ出し、四方八方から集まってきて、ハイラの五感に染み込んでいった。

彼女は瞬時に頬を紅潮させ、まるで覚醒剤でも吸ったかのような快感に、瞳を僅かに閉じ、そして突然開いた。無形の音波が肺から喉へと駆け上がり、口から放たれた。

「あー！」

凄まじく耳を刺すような、まるで亡霊の叫び声のような音！

船団上空のすべての戦闘機のパイロットの眼球が同時に破裂し、耳から血を噴き出し、脳みそは粥状になった。戦闘機群は次々と墜落し、切れた凧のように地面と河水に落ち、火球となって炸裂した。

上空は飛行禁止区域となり、一つの戦闘機編隊がハイラ一人の力で壊滅させられた！残りの戦闘機は命令を受け、急いで撤退した！

これが軍事レベルの異能力の恐ろしい威力だ。人間が操縦する必要のある兵器は、操縦者が脆弱すぎれば、ハイラの亡者の力が直接精神を攻撃できる。ブルースターの技術ツリーには精神攻撃に対抗する技術がほとんど存在しなかった。

上空には数機の偵察用ドローンだけが追跡観察を続けていた。

ルイニットはテレポートでハイラの傍に現れ、片手で頭を痛そうに押さえ、鼻から血を流しながら、陰気な表情で叫んだ。「俺まで殺す気か！」

ハイラは冷たい表情を崩さず、返事をしなかった。ルイニットはこの怒りを飲み込むしかなかった。彼はハイラに逆らう勇気がなかった。

指揮室で、林宇は一瞬も目を離さず戦況を見守り、腕時計を確認して静かに言った。「時間だ」

萌芽の地上部隊は封鎖線を突破し、予定の上陸地点に急速に接近していた。星龍軍は計画通り、やや手を緩めていた。これは海上部隊を足止めするためで、地上部隊が乗船すれば海夏に任せることができる。海戦では地上部隊は役に立たず、むしろ足手まといとなり、結果的に損失を減らし、敵を弱体化させることになる。

海軍艦隊の駆逐艦には新型ミサイルが搭載されており、巡航中に分裂して迎撃網を回避できる。萌芽が地上部隊と合流すれば直ちに発射し、一斉射撃で萌芽船団に大打撃を与え、萌芽が混乱している間に、星龍13局の突撃部隊が乗り込んで大量殺戮を行う。

これが次の計画だった。

しかし、計画は常に変化に追いつかず、予期せぬ事態は突然訪れるものだ。

「ピーピーピー」耳障りな警報音が海夏の指揮艦で鳴り響き、レーダーが水中から高速で接近する数十の目標を捉えた。

ゴーストのような魚雷！

どこから来たのか不明！

迎撃する間もなく、出海口付近の艦船が次々と爆発し、炎が天を突いた！

海夏の上層部は常に戦場を監視しており、海軍艦隊への攻撃に激怒した。

「対ソナー潜水艦か？！浮標はなぜ反応しなかった、敵の射程はどれほどだ？！」

この状況は萌芽の潜水艦としか考えられない。どこから来たのか？アンディア大陸から萌芽が早くから派遣していたのか？それとも近くの島に萌芽の秘密基地があるのか！

理由は何であれ、敵に援軍があり、緊急事態に対応しなければならない！

「我々の潜水艦はどうした！」海夏の将校は怒鳴った。彼らは付近に保険として数隻の潜水艦を配置していたが、直ちに行動を開始して敵の潜水艦を探索させた。

海軍艦隊は大打撃を受け、一時的に緊急修理に追われ、準備していたミサイル攻撃は実行できず、戦略的な空白を生じさせ、事態の推移は制御不能となった。

萌芽船団はこの機会を捉え、陣形を変更し、艀を岸に沿って航行させ、艀の口を開き、舷板を降ろして地上部隊が乗船するための橋を提供した。舷板の端は岸辺の砂浜をこすり、鋭い痕跡を残した。この航行方法は座礁のリスクがあったが、他の船舶がロープと鉄製フックで艀と連結し、艀が座礁しても直ちに河面に引き戻せるようにしていた。

林宇の自信は潜水艦隊にあった。それは萌芽が早くから派遣していた援軍で、この一回の奇襲で海夏の封鎖と戦略的配置を打ち破った！

星龍の伏兵を突破するためにウーガルは部隊の半分以上を失ったが、チャンスが訪れるや否や、直ちに車両隊を指揮して次々と艀に乗り込ませ、無事に合流を果たした。

待機していた星龍の突撃部隊は焦りだした。計画では海夏が最初にミサイル攻撃を行い、その後で彼らが突入する予定だった。この段階がなければ、無謀に突っ込んでも船団の集中砲火を浴びるだけだ！

「どうする？」

これ以上待っていれば、萌芽部隊との合流が完了してしまい、もはやチャンスはなくなる。

突撃部隊は星龍の13局のスパイとエリート軍人たちで、上級者からの指示を待った。たった一言。

「行け！」

躊躇なく、突撃艇が次々と飛び出した。萌芽船団は即座に集中砲火を浴びせかけ、突撃部隊は砲火を受けながら突進し、周りでは水しぶきが上がり、戦友が水没し、爆死していったが、彼らの戦意を揺るがすことはできず、彼らの歩みを遅らせることもできなかった。

軍人として、命令の向かうところ、たとえ前方が溶岩であっても飛び込まねばならない。この命令に従う鋼鉄のような意志があってこそ、星龍は旧時代の数百の国家の中から頭角を現し、最後の六つの勝者の一つとなることができたのだ。