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第11章 毎日猫を探す

徐々に「豪華客船殺人事件」も1か月が経ち、高成は探偵の本を読みながらちょっとした依頼をこなして生活している。

お金を稼ぎ、名声値交換を含め、すべて家賃の支払いに充てたが、探偵社の懸案はまだ大きいままだった。

そして、彼が最も心配していたことが起こり、この1か月間、システムには全く動きがなく、「豪華客船殺人事件」は彼に少し名声をもたらしてくれたけれど、新聞にはあまり良い評価がなく……メディアは彼の事件解決をただの運が良かっただけとして、未だに黒歴史を執拗に続けている。

高校生の名探偵に似た顔立ちをしているため、テレビ放送も加わって、元の主がスキャンダルを起こしたときの影響は小さくなく、前回のお化け屋敷の事件の後も昔のことが取り上げられ、結局彼の過去を「鞭尸」としただけ……。

もし米花神社の事件を洞爺湖に交換していなかったら、結果はどのようになるかわからないが、どうせ良くないところまで来るだろうし、これからもっと長い道のりが待っているだろう。

高成は探偵事務所の窓から外を見つめる。

大きな進歩はないものの、せめて探偵事務所が元の半死半生の状態から少し活性化することができた……。

そういえば、豪華客船事件について、今回は北海道から送られてきた手紙を受け取った。

送り主は、旗本の老人の孫娘である夏江、美しいお嬢さんだ。

最初に、老人は遺言を立て、夏江に旗本集団を継がせることになっていた。

しかし、夏江と夫の小武は、巨額の遺産を継ぐことを放棄して旗本家を出て、北海道の牧場で新しい人生を始めることにした。

手紙の最後には、夏江も彼に言及し、北海道に遊びに行く暇がある時に、そして彼が敬愛される名探偵になることを信じている……。

「私も頑張ります。」高成は拳を握り締め、まるで元の主の遺志を約束するかのように、「必ず名探偵になります!」

……

米花総合病院近くの公園の外で、高成は探偵らしいトレンチコートを着て周りを捜している。

彼は今でも毎日、猫や犬、失くしたものを探して、依頼者から家賃に使えるわずかなお金をもらっている。

このような依頼では多くて2、3万円、少ないと数千円しかなく、隣の大叔とは全く比べ物にならない。

もちろん、報酬が高い依頼もある。例えば、人探しや浮気調査など……ただ、依頼者が彼の年齢を見るとすぐに依頼を諦める。

実際、豪華郵便船の事件がなければ、誰も彼を探すことはなかっただろう。

彼が今回この辺に来たのは、家主の吉美おばさんからの紹介で、依頼者が財布をなくしたと言って、中に大事なものが入っているから必ず見つけなくてはいけないと言ったからだ。

「ここは最後の可能性のある場所です。誰かに拾われなければいいんですが」。

高成は公園の隣に立って、ため息をついた。探偵としての仕事は1か月間ずっと読んでいたが、こんなことでは困難だ。もしコナンだったら、財布がどこの隅に落ちていても誰かに拾われていても、すぐに手がかりを見つけるだろうし、彼はバカバカしいことにどこかで探さないといけないんだ。

「もう少し探してみましょう」

公園に入り、高成はベンチの下を1つ1つ見つめた後、通りかかる人に丁寧に質問をしたが、依頼者が午前中に公園に来たという情報だけで、誰も依頼者に会っていない。

「困りましたね。大事なものがあるんだったら何で警察に報告しなかったんですか?侦探を依頼して3万円も使う必要があるんですか?」

高成はもう諦めたくなる気持ちがあったが、探偵社がようやくスタートして出来るだけのことがダメージにしてしまう。

「どれくらいどこにあるのでしょうか。このような場所ではすぐに拾われるでしょう」。

高成は何気なく道端のゴミ山を見つめながら、ゴミの中に捨てられたことがないかと考えたら、同じようにトレンチコートを着た男がゴミに向かって駆けて行き、嬉しそうに財布を見つけ出した。

ライバル?

高成はしばらく目を疑った後、反応してすぐに後ろから飛びついた。

いい男だね、何故こんな事をしているんだ!彼のビジネスまで奪う!

「少しは慎んでください!」高成は同僚を押さえつけ、「これは私の依頼者のものです!」と叱った。

相手は痛がって叫んだ。「手を離して、あなたは一体誰だ?」

高成は怒って笑い出す。「ビジネスを奪われても、私を知らないのか?私は名探偵城戸高成だ!」

「城戸高成?あなたは城戸探偵事務所の人?」相手はしばらく戸惑い、「早く手を放して!私は依頼者だ!」と怒り出した。

「ハハ!」高成は冷ややかに言った。「僕をだますことができるとでも思っているのか?どこに探偵の仕事を奪おうとする依頼者がいるっていうの?!」

「ちょっと思い出しただけだよ!痛いよ、この野郎!」

「あ?」

……

アパートメントのベンチの隣、高成が顔を落として1,000円札を持っている。

せめて1日の努力の成果だったが、最後に依頼者を怒らせたために…。

やはり中間者を介した依頼という形があまり頼りにならないようだ。

お金を慎重に財布にしまった高成は、突然身体が緊張し、目を細めながら条件反射的に体を横にして、すぐに強風が肩を擦り抜けて、足球の影がかすかに見えた。

「バン!」 高成の手に落ちるまでに足球の力が尽きている。

「誰だ!こんなことって危険じゃないか?」

高成は怒りながら振り向いたが、公園の木々を抜けた足球が飛んできたことに気付いた。

足球は明らかにたくさんの木を擦ったが、彼の手に落ちたときにそのほどの速さと力があった。

足球を持って公園の反対側の林へ行くと、高成は ボールを蹴っていた人を探して、ふと、毛利小五郎一行が場にいることに気付いた。そしてひざまずいて泣いている中年男性もいた。

どうやら事件が解決されたばかりのようだ。

「一体何が起こっているんだ?」

高成は足球を投げ捨て、コナンが蹴ったことを知らずに追いかけた。

あんな威力があるのは、阿笠博士のブラックテクノロジーを持つコナンだけだろう。

「高成兄さん?」コナンは高成を見て、驚いた顔をした。「どうしてここに??」

「もちろん…」高成は言葉を途中で止めて、笑って言った。「もちろん、ただ通りすがっただけだよ。ハハ。そろそろ時間だし、帰ろう。」

コナンたちと別れてから、高成は何度も振り返って見てしまった。

おかしいな、明らかにコナンが事件に遭遇しているのに、システムには反応がない。。

しかしこのままネコやイヌを探す任務で過ごすなんて、もう我慢できない。こんな依頼はいつまでも続かないし、顔も悪い。

……

数日が経ち、高成は力なく探偵事務所に戻り、ソファに頭を突っ込んだ。

家賃やその他もろもろの経費が山のように重くなって、お金を稼がなければならない。探しても簡単でない。しかし、この間にもシステムから2ポイントの名声値が差し引かれました。

ただ、基本の100名声を残して他の全てを円に換算してみると、彼の1カ月以上の努力は無駄にならず、ようやく吉美おばさんから借りたお金を全部返済できるようになりました。

深い息を吸って、高成はリラックスした表情でジワリと口から涎が垂れて寝つく。

ちょっと疲れているが、依頼が達成されたたびにとってもうれしい。たくさんのお金を稼いで、探偵事務所の状態も徐々に改善されることになった。これからが始まりだよね。

目が覚めると、もう夕方5時過ぎで、連続的なシステム通知音によって目が覚めた。

「ん?」眠そうな目で目を開け、高成はシステムインターフェイスを苛立たして見る、立ち止まって、急に目を覚まして。

システムには、新しいイベントが増えていた。

「美術館殺人事件」、イベントはちょうどこの午後4時から5時の間に起こった。

「あり得ないだろう?」

高成は時間を見て、急に他のことは気にせず、トイレに飛び込んで顔を洗って探偵事務所から走り出した。

「ああああ、なんで早く教えてくれないの?! コナン、工藤新一、工藤兄、待っててね!」