第298章 醸造師の魂_2

もちろん、彼女は確かに多くのことを学んだ。

安芸英助は深く納得して頷いた。今、北原秀次が再び酒を醸造するなら、無料でアルバイトをしたい、むしろお金を払ってでもいい。とにかく、様々な細部を近くで見ることができれば、それで十分だった。

彼は春菜を少し羨ましく思った。春菜が器用にニンジンを彫って料理の飾りつけをしている様子を見ると、かなりの腕前が見て取れた。白い頭巾の下の落ち着いているが集中した小さな顔と、風に揺れる竹のように立っている姿を見て、思わず賞賛の念が湧いた——素晴らしい子供だ。分別があり、苦労を厭わず、きっと醸造師の良い素質を持っているに違いない！

彼は思わず自分の子供たちを見比べてしまった。娘は問題ない、いつも良い子だった。しかし、あの不機嫌そうな顔をした息子は一体どうしたことか...急にこの子がこんなにダメだと感じるのはなぜだろう？妻が甘やかしすぎたせいだろうか？

いけない、梅は寒さの中で香り高くなる。厳しい環境でこそ人は成長するのだ！同年代の女の子がすでに一生懸命働いている、それも無給で、ただ学習と自己向上のために。一方、自分の家の息子はただぶらぶらして無為に過ごしている。性格も品性も能力も比べものにならないほどの差がある。やはり妻が子供を甘やかしすぎたのだ！

今からでも遅くない。この息子を酒造場でアルバイトさせよう。米を運び、米を磨くところから始めて、どんな汚い仕事でも辛い仕事でもやらせる！このままにしておくわけにはいかない。今のこのだらしない様子を見ていると、将来どうなるというのだ？！

安芸英助は一目で息子にスパルタ式教育を施すことを決意した。息子は全く気付かずご飯を食べ続けている。彼は再び春菜に丁寧に尋ねた。「貴店は近々また醸造の予定はありますか？」

清酒にとって、冬季は最適な醸造シーズンだ。昔は年に五回醸造していたが、それは稲の収穫時期に合わせていた。しかし近代になって、冬季の醸造は腐敗率が低く、出来高が良いことが分かり、現在では基本的に秋一回冬四回に固定されている。

彼はこの完璧な清酒がどのように醸造されているのか知りたかったが、直接尋ねるのは憚られた。タブーを犯すことを恐れ、ただ日程を尋ね、その時に手伝いができないかと考えていた。