第181章 金玉が砕ける音_2

陽子はこの時、鈴木希のドライバーに守られながら、冬美が首を絞められて顔が真っ赤になり、雪里も訳も分からず首を絞められているのを見て、急いで叫んだ。「彼女たちを傷つけないで、私...私...私が行きます...私...」

彼女も混乱していた。さっき冬美に投げ出されて、やっと立ち上がったら今度は助けてくれた人が捕まってしまった。

「ハハハ！」突然の笑い声に、その場にいた全員が驚いて振り向くと、雪里が首を縮めて笑っているのが見えた。「くすぐったい、私はくすぐったがりなの。首に物を当てないでください。」

その男は陽子を脅すために、ナイフを平らにして雪里の首に当てたのだが、ナイフが冷たくて、雪里は我慢できなくなっていた。

冬美は息が詰まりそうになっていた。お腹が怒りで爆発しそうだった。雪里が先ほど上手く協力しなかったせいだ——あのナイフの傷男を倒していれば、こんなことにはならなかったのに——この間抜けな妹がまたこんな調子はずれなことをしているのを見て、首にナイフを突きつけられているのも構わず、手を伸ばして彼女の後頭部を叩き、怒って言った。「まだ笑えるの？どうして人質にされちゃったの？普段の実力はどこ行ったの？さっきはなぜ手を出さなかったの？！」

二人とも人を助けに来て自分が人質になるなんて、珍しい光景だった。

雪里は頭を叩かれて鈍い音がした。完熟したスイカを叩いたような音だった。すぐに笑顔が消え、口を尖らせて不満そうに言った。「本当にくすぐったいんだよ、お姉ちゃん...なんで叩くの？お姉ちゃんが先に捕まったんだから、見捨てるわけにはいかないでしょう！」

「生意気な！」冬美は一瞬言葉に詰まり、恥ずかしさと怒りが入り混じって、もう一度雪里を叩こうともがいたが、その男は我慢できなくなり、雪里の首を強く絞めて怒鳴った。「おとなしくしろ！」

ナイフの傷男も急いで力を加え、冬美が動けないように絞めた。これ以上何か悪さをされないように。

彼らも呆れた。人質をとっているのに、全く緊張感がない。この二人は子供の遊びだと思っているのか！こんな人質は初めて見た！