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第102章 童話は嘘じゃなかった_2

彼は必要としている店に商品の効能説明などを翻訳して小遣いを稼ごうと走り回っていた。店主たちは最初、彼の若さを見て相手にしたくなかったが、彼の魅力値はすでにかなり高く、笑わなくても人々の好感を買い、笑うと本当に金光が四方に輝いて店主の目を眩ませるほどだった。また欲張らず、初期は半分売り半分サービスで、試用も許可し、実際にいくつかの仕事を獲得することができた。

しかし、翻訳というのは単に二つの言語をある程度理解しているだけではできるものではなく、想像以上に簡単ではない。言葉の選び方や文章の作り方、文化への適応、タブーの回避など、多くの配慮が必要で、陽子が見たように適当にやって金を稼げるようなものではない。それは泥棒が肉を食べるところだけを見て、捕まって殴られる場面を見ていないようなものだ。

しかし北原秀次は何をするにも真面目な人で、スキルを活かしながら、じっくりと研究し、体育の授業などをサボりながらも勉強した。その結果、訳文は滑らかで、文章は優雅で、笑い物にならず、宗教や民族の問題も起こさない程度になり、納品も迅速だった。一週間で、店から各国語での歓迎の言葉や、店の商品の外国語での面白い宣伝文句などの依頼の電話が来るようになった。

アルバイトを学校に持ち込んで作業するのは珍しいことだったが、学習成績が良すぎて、教師も特に気にしなかった。優等生にはちょっとした癖があるもので、Cクラスには一日中夢遊病のような生徒もいれば、Aクラスには入学以来一度も見かけない生徒もいる。あまり管理しすぎて成績が下がったらどうするのか?本当に成績に変動があったら、その時考えればいい。変動がなければ、好きにさせておけばいい!

式島律は北原秀次が文書を受け取るのを見て、さらに興味を持った。しかし彼は教養のある人物なので、丁寧に尋ねた。「見せていただいてもよろしいですか、北原君?」

「それは...もちろんです!」他の人なら断っていたかもしれないが、式島律に頼まれては断れず、原稿を前に押し出し、自分は荷物の整理を始めた。

式島律は丁寧に見て、二つの言語が何の国のものか分かっただけで、あまり理解できなかった。さらに数えてみると五つの言語があるようで、思わず驚いて言った。「これは北原君が訳したのですか?」

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