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第188章 一撃必殺

北原秀次は雪里の手から本を奪い取って箱に戻したが、冬美はすでに表紙を見てしまっていた。彼女はロフトに飛び込み、箱と北原秀次を交互に見つめた。北原秀次は躊躇なく「内田が預けたものだ!」と言い放った。

友達を裏切るのは義理に反するが、この濡れ衣は着たくなかった。ここには女の子や未成年者が多いのに、こんなHな本を二箱も持ち込んできたとなれば、自分のものだと認めたら人格が崩壊してしまう。

二箱ものHな本を見られたら、これから福沢家の姉妹の目にどう映るだろうか?絶対にダメだ!

冬美は箱を開けて確認し、すぐに小さな顔を上げて北原秀次を見つめ、疑わしげに「内田のやつの?」と尋ねた。

「そうだよ、信じられないなら電話して聞いてみればいい」

冬美は口を尖らせたが、電話をかける気配はなかった。彼女だって馬鹿じゃない。男子間の義理なんて、写真集や色Q雑誌一、二箱どころか、インフレータブルドールを二つ持っていたとしても、電話して確認すれば、内田雄馬は躊躇なく認めるに決まっている。

普段は真面目ぶっているくせに、こんな趣味があるなんて。これって闇の性癖?まずい、狼を家に入れてしまったかも?

でも、これは北原秀次の個人的な趣味だし、軽蔑はしているけど干渉もできないし、まして燃やすわけにもいかない。首を傾げながら「誰のものかは重要じゃない。ちゃんと管理して、雪里たちに見せないでよ。まだ子供なんだから」とぶつぶつ言った。

この小白面のうぬぼれ屋も子供たちに悪影響を与えないか考えなさいよ。男なんてろくなものじゃないわ!

北原秀次は一瞬言葉を失った。もはや言い逃れのしようがない状況だ。彼は二つの箱をしっかりと封をし直し、ロフトの隅に積み上げて、おとなしく「分かりました。ちゃんと管理します」と言った。

明日すぐに内田に持ち帰れないか聞いてみよう……

気まずい雰囲気の中、冬美は疑わしげに北原秀次を盗み見し、北原秀次も説明する気はなく、かえって状況が悪化することを恐れていた。そんな中、雪里が楽しそうに場を和ませようと「秀次さん、恥ずかしがることないよ。男の人なんて、みんなエッチだもんね。私、分かるよ!」と言った。

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