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第29章 就職も家探しも真剣にやらなければならない

 クラインは相手に違和感を持たれぬよう、純粋な好奇心を装って尋ねた。

「『占い師』というのは、どのような能力を持っているのですか?」

「質問が少し間違っているな。『「占い師」のポーションを飲んだ者は、どんな能力を得るのですか?』と聞くのが正しい。」ダン・スミスは笑って首を横に振った。赤い月に背を向けた彼は、その灰色の瞳も、その表情も、月の影に隠れて見えなかった。「占星術、カード占い、ペンジュラムに霊視、そういった類のものだ。もちろん、飲んだ瞬間すぐに身につくわけじゃない。ポーションっていうのは、これらを習得するための資格や能力を手に入れさせるだけのものさ。」

 「占い師には直接の対抗手段がない。ほら、君ならわかるだろう? 儀式魔法にはたくさんの準備が必要で、遭遇戦には向かない。だから、神秘学では『占い師』は『秘密を覗く者』よりも、学術的で専門的なものとされている。」

 なるほど、俺の要求にかなり合っている……直接の対抗手段がないのは不安だが……それに黒夜女神教会にはおそらく、その後の『序列』がない……『聖堂』というのは教会本部のあのセレニティ大聖堂……低い等級の序列の対抗手段より、銃器のほうがマシかもしれない……クラインは黙り込み、彼の脳内で天秤が左右に揺れた。『秘密を覗く者』か、『占い師』か。『死体収集者』に至っては、すでに候補から外された。

 ダン・スミスはその様子を見て、笑いながら言った。

 「何も急いで決めることはない。月曜の朝までに結論を出せばいいさ。君が何を選んでも、あるいはどちらも選ばなくても、俺たち夜を統べる者は、君を変な目で見たりしない。」

 「落ち着いて、自分の心と相談することだ。」

 言い終わると、彼は帽子を脱ぎ、軽くお辞儀をした。そしてクラインの横をゆっくりと通り過ぎると、階段の方へ向かっていった。

 クラインは何も言わなかった。その場で結論を出すことはなく、ただ黙って礼をすると、その姿を見送った。

Chapitre verrouillé

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