シンギョクの身体を包んでいるのは、まさに霊火だ!
霊火は至陽のもので、天敵はグス虫!
すべてのグス虫は、霊火の威圧の下で、数メートル逃げている!
シンギョクは指を弾き、もう一筋の霊火が、江古の体に落ちた。
一瞬間、江古の体からポップコーンがはじけるような音が聞こえてきた。
江古は慌てて地面から立ち上がり、自分の体を一瞥したとたん、冷や汗が止まらない。
これらのグス虫、あまりに恐ろしい!
だから誰も南西部に踏み込むことを望まず、地殺谷に入るなど考えもしない!
「シン先生、ありがとうございます」江古はシンギョクに向かって円襟を作った。
だが、シンギョクは何も言わず、冷たい視線で辺りを見回した。
これらのグス虫は近づくことを恐れてはいたが、散らすこともしなかった。
彼らはシンギョクと江古を囲み、前進を阻止した。
「霊火?」暗闇から、老人の声が再び響き渡った。
「しかも青色の霊火だと?」声の中には、何となく貪欲な色彩が混ざっていた。
明らかに、地殺谷でも、青色の霊火に対する憧れは強かった!
言葉を口にせず、シンギョクは手を上げ、一つの霊火を直接前に投げた。
一瞬で、たくさんのグス虫が霊火の燃焼で焼き尽くされた。
暗闇の老人は冷たく叱責した。「霊火の消耗は大きい、君がどれくらい持つことができるか見せてくれ」
言葉が終わると同時に、周囲のグス虫が何倍にも増えた!
「起きろ!」
そして、暗闇の老人は怒鳴り声を上げた!
無数のグス虫が、空中へと飛んでいく。
蔭を遮り、日光を阻むほどのグス虫が、この峡谷を漆黒に変えた!
そして、これらのヤインエネルギーをまとったグス虫が、空中で巨大な人間の形を作り出した!
真っ黒な巨人は、少なくとも三階建てのビルの高さがある!
満天を覆いつくすヤインエネルギーは冷や汗を流させるほどだ!
「ハハハ!あなたの霊火がどれくらい続くか見てみたいな!」老人は冷笑し続けた。
シンギョクは一言も発することなく、霊火を握り、一歩前に踏み出して巨人に直面した!
「シュッ!」
シンギョクの霊火を帯びた拳は、刃物のように、グス虫を直接裂いた!
この一撃で少なくとも数千のグス虫が消滅した!
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