アレシアは自分がまさか使者団の一員になれるとは思ってもみなかった。
教会が使者団を派遣する際、チームのメンバーは常に精鋭の戦士であり、文武両道であるだけでなく、外見も教会の面目を保つものでなければならなかった。彼女は自分の戦闘技術と教会の礼儀作法には自信があったが、容姿となると...防衛線で常に奔走し、毎日大剣を振り回している女性がどれほど見栄えがするというのだろうか?そう考えると、なんとも落ち着かない気持ちになった。
神官のミラによると、彼らは灰色城王国の西境の町へ向かい、王権による魔女庇護の冒涜事件について交渉するとのことだった。指揮を執る神官の他、使節団は十名の審判軍で構成され、その中にはヘルメス防衛線で一度顔を合わせた無愛想な隊長も含まれていた。
しかし今見ると、戦闘中でなくても、彼は相変わらず冷たい表情を浮かべており、彼の傍に立つだけでアレシアは気温が下がったように感じた。
一方、神官のミラは全く正反対で、四十代以上の年齢で、賢明な目を持っていた。いつも笑顔で教会の面白い話を語り、見識が広く、情熱的でありながら品位も保ち、大主教の前でさえその風格は衰えることがなかった。アレシアは何度も、彼女が次期主教の候補者になる可能性が高いという噂を耳にしていた。
さらに女戦士を驚かせたのは、文官でありながら、ミラの乗馬の技術は他の審判軍に劣らないことだった。この二日間、彼女は常に隊の先頭に立ち、森の山道から町の小道まで、馬の速度を保ちながら体力の消耗を抑える術を心得ていた。この技術は長期の乗馬訓練を受けた審判軍だけが習得できるものだった。
「南に向かっているのではないのですか?」ヘルメスの領域を離れ、灰色城王国に入ると、隊の中から誰かが尋ねた。
「いいえ、辺境町は私たちからあまりに遠すぎます。陸路で行くなら、お尻が擦り切れてしまうでしょう」ミラは手を振って言った。「まず東に向かって幽谷町に行きましょう。そこには赤水市まで通じる川があります。赤水市から長歌要塞までは近いですから」
「いつ教会に入られたのですか?」アレシアは好奇心に駆られて尋ねた。「聖都の様々な逸話をご存知なだけでなく、世俗の世界にもとても詳しいようですが」
「十二年前です。ちょうど三十歳の時でした」ミラは答えた。
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