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第316章 頭を使う必要なし_1

北原秀次は何かおかしいと感じつつも、初めての東京で具体的に何が問題なのか分からず、とりあえず一歩ずつ進むしかなく、正直に受発科に出向いた。

受発課の課長はすでにいなく、立ち回りの主任を探し出したが、通知書を見た主任はちょっと困った様子で頭を掻いた。ここは荒仕事をする場所で、高校生をインターンに来させる?人事部は頭がおかしいのか?

彼は間違えたのではないかと疑い、再度人事部に電話し質問したところ、北原秀次に対する彼らの意向をうかがい知ることができた。彼は大石尾一郎の器が小さすぎると感じ、40歳以上になったのにまだ16、7歳の生徒と争っている姿に失望した。

しかし私怨は私怨として、営業部の副部長と対立することを避けて、30歳代の健康な男性を呼んで指示した。「井上君、これが新しく来たインターン生だ。とりあえず、君たちのグループに置いておいてくれ」

井上雄は北原秀次を見てちょっと驚いた。「インターン生?彼に……何をさせるんだ?」

「君たちが何をやっているのか彼にやらせてくれ!」主任は手を振って井上雄に指示を出し、北原秀次には少し苦しみを味わってもらおうと思っていた。

「はい!」井上雄は困惑しつつも合意し、北原秀次を連れて出て行き、自己紹介をした。「僕は井上雄、雄兄と呼んでくれていいよ」

北原秀次はにっこりと笑った。「雄兄、こんにちは。私は北原秀次、名古屋の私立大福学園から来ました。ここで1ヵ月間のインターンをする予定です。これからよろしくお願いいたします」

井上雄はくしゃくしゃの髪を掻きながら不思議そうに問うた。「高校生のインターン生?なんでうちのところにくることになったんだ?」

「学校が主催の修学旅行ですが……」

「それではなく、うちの課になぜ配属されたのか。ここは荒仕事をこなす部署で、お前がこれを学んで何の役に立つのか?」

北原秀次も困惑し、頭を振って言った。「うちは上からの指示で、なぜそうなったのかはわからない」

井上雄はそれを考えてみたが、理由がわからなければそれ以上は考えないで、とりあえず言った。「まぁ、お前は悪くなさそうだ。できるだけやってみて、疲れたら言ってくれ。休むのもいいさ」

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