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第159章 禁欲系

雪里は性格が良く言えば天然で純粋、悪く言えば少し抜けているところがある。もし他人が彼女の家族や友達を傷つけなければ、彼女自身には全く攻撃性がなく、争いを好まず、性格はとても穏やかで、何でも良しとし、冗談を言われても怒らず、むしろ理屈っぽく(彼女なりの歪んだ理屈があり)、義理人情を重んじ、人助けを心から楽しむ(結果は必ずしも良くないが)ため、人望が非常に厚い——彼女の子供っぽい純真な顔を見ると、いじめようという気も起きず、ほとんどの人が彼女のことを好いている。

北原秀次もそうで、良くないと分かっていても、彼女に向かって「ふざけるな」と怒鳴る勇気が出なかった。彼は雪里の少し困惑し、少し悲しそうで、少し委屈そうな顔を見たくなかった。それは何か罪を犯したような気分になるからだ。

雪里はすでに座って弁当箱を開け始めていた。二つの大きなご飯の箱と一つのおかずの箱——余分なご飯の箱は北原秀次のために用意したものではなく、彼女自身がそれだけ食べるのだ。

内田雄馬が近寄ってきて覗き込み、北原秀次を見て、にやにや笑いながら言った。「豪華だね、愛妻弁当?」

北原秀次は彼を横目で見た。くだらない愛妻弁当なんかじゃない、これは春菜が作ったものだ。それに雪里は自分で全部食べるだけで、他のことには寛容だが、食べ物は決して他人と分けようとしない。

そのことを思い出して、急いで別の角度から説得を試みた。「雪里、僕も弁当を持ってきてないから、食堂で食べようかな?君は自分のクラスに戻って...」

雪里は少し躊躇してから、大きなご飯の箱を押し出し、苦しそうに言った。「秀次なら、一緒に食べてもいいよ...確か食が細いよね、食べきれなかったら私が食べるから、そんなに食べられないでしょう?」

北原秀次は言葉に詰まった。確かに彼は雪里ほど食べられない。雪里は普通六、七人分を食べるので、この特大サイズの弁当箱の一角しか食べられないだろう。

内田雄馬は横で面白そうに見ていて、噂のネタにしようと思っていたが、式島律は北原秀次が少し躊躇して降参しそうなのを見て、すぐに内田雄馬を引っ張って立ち去り、優しく言った。「北原君、じゃあ私たちは食堂に行くね。」

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