春菜は雪里の服を引っ張り、少し怒って言った:「二姉さん、こんないたずらを続けるなら、姉さんが帰ってきたら告げ口しますよ!」この食いしん坊の姉は女の子の面目を丸つぶれにした。美味しい物のためにわざわざ届けに行くなんて?
あなたはもう16歳の少女なのよ、そんなに簡単に騙されちゃダメでしょう!
雪里は失敗して落ち込み、少し悲しそうに、冷蔵庫から氷を取りながら小声で言った:「でも本当に美味しいんだもん。私には他の趣味もないし、美味しいものを食べるのが好きなだけ。秀次は他人じゃないし、おとうさんも彼のことを気に入ってて、奥義まで教えてくれたのよ。彼の家に行って二、三回食事するくらい、何が悪いの。あなたたちは本当にうるさいわ……」
彼女は心の中で苦しんでいた。以前はそんな美味しいものを食べたことがなかったからよかったけど、一度食べてしまうと忘れられなくなって、他の食べ物に興味が持てなくなってしまった——北原秀次が今彼女と結婚したいと言うなら、「父母の命」がなくても、毎日あんな美味しい料理が食べられるだけで喜んで承諾するだろう。
人は美味しいものを食べるために生きているんじゃない?じゃなければ一生懸命お金を稼ぐ意味なんてある?毎日豚や羊や魚や牛や鶏やフルーツが食べられるようになるためじゃない?
北原秀次は雪里の文句を気にせず、春菜と一緒に佛跳墙の材料を全て処理し、丁寧に壺に詰め、強火で煮始めた。あとは時間がかかるだけで、夜には弱火に変えてじっくり煮込み、明日になれば完成だ。
彼は春菜を連れて豆を浸している方へ行った。雪里は寒さも気にせず、氷と豆がいっぱい入った大きな木桶を手で掻き混ぜ、また楽しそうに遊んでいた。北原秀次が来るのを見ると嬉しそうに言った:「泡がいっぱい出てきた!」
豆の中のガスが水に置換されて出てきたのだ。そして雪里という子は大事でなければ、だいたい5分くらい落ち込むだけで、氷水で豆を浸す遊びをしているうちにまた元気になったようだ。
北原秀次はしゃがんで豆を触ってみると、まだ少し硬く、浸す時間が足りないようだった。しかし彼は自分の手作りの味噌は品質が少し劣っても、外で買う機械加工の大量生産品よりはましだろうと考え、強引に鍋にかけることにした。
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