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第190章 まだ私のことが好きですか?

北原秀次は甘い夢を見ていた。夢の中は全てミルクの香りで、その香りはどんどん濃くなり、甘すぎて少し飽きるほどだった。そして頬がかゆかった。彼はゆっくりと目を開けると、既に夜が明けかけており、通りにも人の声が聞こえ始めていた。少し首を傾げると、冬美が彼のベッドの傍で眠っており、二人の頭が寄り添っていることに気付いた。

彼は静かに動いて、自分の顔を冬美の頭から離した——どうしてこうなったのかは分からなかったが、おそらく香りに引き寄せられて、頭が冬美の方に傾いていたのだろう——その動きで冬美はすぐに目を覚まし、まだ眠そうな目で彼を見つめながら、無意識に手の甲で口を拭い、ぼんやりと「どうしたの?」と尋ねた。

二人の距離は近く、お互いの呼吸が聞こえるほどだった。北原秀次は冬美の星のように輝く三日月のような目を見つめ、しばらく呆然としていたが、優しく「何でもないよ、また寝ていいよ。お疲れ様」と言った。

冬美は少し戸惑った様子で起き上がり、首を傾げながら「大したことじゃないわ、これは私の当然の務めよ」とつぶやいた。そして北原秀次が体を起こそうとするのを見て、急いで押さえつけながら「今日はもう一日休んで、起きなくていいわ」と言った。

「起きないと...」

「だめ、もう少し横になっていて!」

「起きなければならないんだ」北原秀次は仕方なく「トイレに行きたいんだ」と言った。

冬美は一瞬戸惑い、頬を赤らめながら急いで彼を支えて起き上がらせた。少し躊躇した後、彼が転倒しないよう付き添って歩いた。北原秀次は既にだいぶ良くなっていて、ゆっくりとトイレまで歩いていき、冬美は外で待っていた。

北原秀次は出てきてから彼女を見て、再び「本当に大丈夫だから、休んでいったら?」と提案した。

冬美は首を振りながら彼の傍について「だめよ、雪里があなたを怪我させたんだから、私が責任を取らないと...」と言い、そして突然怒ったように「私だってあなたの面倒を見たくないわよ。でも仕方がないでしょう。グチグチ言わないで、早く良くなることが一番よ!」と言った。

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