韓瀟は痕跡をたどって行き、視界に広がるのは果てしない黄色い砂、そしてローチンたちの逃げた車輪跡は、折り畳まれた白い紙の折り目のように目立っていた。
座標レーダーには現在の位置が表示されており、彼が迷子になることはない。彼が進んでいる方向はソマール砂漠の外縁で、天気予報の情報によれば、この地域は最近砂嵐が発生した。
千変万化な砂漠の風景には、韓瀟も少々飽きてきていた。半時間以上追い続けたところで、遠くに一台のクロスカントリーカーが見えると、彼はすぐに元気になった。「やっと追いつけた!」
視覚は相対的だ。クロスカントリーカーに乗っていたローズ武装のメンバーも、韓瀟の存在に気づいた。
「それはイバラだ!」とスーリが驚きの声を上げた。
ローチンの顔色が引き締まり、急いで四方を見回すと、追いかけて来るのは一台の車だけであることを突き止め、心の底から怒りが湧き上がった。
一人で追いついて来るなんて、まるで我々が手軽に扱えるとでも思っているのか!
「引き返すんだ……」
「ドッドド——」
イバラは全火力で攻撃し、榴弾ミサイルがローチンを追い詰めて爆撃した。
ローチンは頭を低くして、はにかんだように言った。「とりあえず逃げることにしよう、彼がすべての弾幕を打ち終えたら改めて考えよう」
火花と爆発が続き、二台の車は逃げ回り、砂丘を越えて行った。
……
服がぼろぼろの巡礼者たちは、砂丘の尾根を苦労して進んでいた。先頭を行く老巡礼者は荒い呼吸をし、汗で背中まで濡れていた。彼は荷物を運んでいた馬から水筒を解いて、震えながら一口飲んだが、疲労と乾いた喉を癒すことはできなかった。
老巡礼者は振り返り、一行を見てみると、皆が元気がない様子だった。残されたこの少数の人々が最後の巡礼者たちだった。老巡礼者は若いころに何万人もの故郷を捨てた人々が旅に出て、風雨にさらされた年月を乗り越えて、最後に残ったのがこの20数人だけだと思うと、彼らの中には死んだ者もいれば、あきらめた者もいた。
時々、老巡礼者はフィロニアが本当に存在しているのか疑わざるを得なかったが、もし放棄すれば、それは彼が何年もの間持ち続けてきた信念を否定することになるだろう。
Support your favorite authors and translators in webnovel.com