クラインは、ダンがサインした指示書を持って地下まで来ると、武器室に入った。
「ダンの言う通りじゃ。そろそろ超越者や各秘密組織のことを知るべきじゃな。」黒いクラシックなローブをまとったニールは指示書を見ながら、疑問を抱くどころかむしろダンの言葉に同調した。
そしてすぐに、にやにやしながら付け加えた。「明日の夜はわしと一緒に地下の取引市場に行くんじゃからの。」
「明日の夜ですか?」クラインは喜びを隠せず、確認するように聞き返した。
ニールは頷くと、ため息をついた。
「わしは借りがあると枕を高くして寝ることができない人間なんじゃ。すぐにでも借りを返したくなる。」
前はそんなふうに言ってなかったじゃないか。最後の最後になって儀式魔法で解決しようとするなんて……どうやら先延ばし癖があるのは俺だけじゃないようだ……ん?ちょっと待てよ。「借金を返すための金を使ってしまいそうで怖い」をこんなに遠回しに言う必要なんてあるのか?クラインは追究することはせずに、ニールを急かした。
「ニールさん、すみませんが、チアニーズの扉に行って必要な資料を取ってきてもらえますか。」
武器室はどちらかというと考古資料と歴史文献が多く、超越者と秘密組織に関連するものもあるにはあるが、数は限られており、基本的なものしかないのだ。
ニールは手挽きコーヒーをゆったりと一口含み、舌の上で転がしてから、ようやくサインと捺印がされた指示書を持って、武器室を出た。クラインはニールの代わりに武器室の留守番をする。
10分ほど経つと、黒いクラシックなローブを着たニールが山積みの資料を抱えて戻ってきた。
「持ち出しは厳禁じゃ。ここでしか閲覧できん。」ニールは資料を机に置きながら、釘を刺した。
「わかりました。」クラインは深く頷くと、両手を伸ばし、素早くページをめくり、まずは全体にざっと目を通した。
詳しいな……さすが「夜を統べる者」の内部資料だ……3000~4000年、ひいてはそれ以上の歴史を持つ教会は伊達じゃない……クラインは目を通しながら、心の中で感嘆の声を上げた。
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