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第023章 ルー教師の先読み(推薦票を求めて!)

全員の視線がりくやに集まった。

「そうだね、ルオ・イェ兄さんも試合に参加してる!」

「でも相手はスクールチームだろう、学生委員に無理させなくても...」

その言葉と同時に、何人かの女生徒がりくやをこそこそと見ていた。

不安ながらも、その瞳に感動の表情が浮かんでいた。

肝心な時に、やはりりくやのイケメンさが頼りになる!

シェンティンジはその威嚇的な雰囲気のギースを見ながら、眉をひそめた。

鋭敏な直感が彼女に告げる。このギースの実力は決して侮れない!

しかし、目の前に立っているトレーナーは...

確かにいい顔立ちだが、いずれにせよ彼は金融学部の学生だ。

指揮力は対戦学部と比べて絶対に劣るだろう!

「おい、ルオ・イェ兄さん、本気でやるの?」

田有為は静かに言った。「もし負けたら、明日の試合に出られなくなるかもしれないぞ!」

りくやはもともと迷っていた。

田有為の言葉を聞いて、目の前が明るくなった。

それならば、期末試験の勉強に専念できるじゃないか!

田有為の肩をポンと叩いて、りくやは微笑んだ。

「やるぞ」

ゆっくり歩み寄り、りくやは淡々と言った。「うちの魔大には、女性が最初に出るという伝統はないからね!」

「りくや学生委員...」

りくやは背中に突き刺さるような熱い視線を感じながら、背筋にいえを。

シェンティンジの後ろにいた対戦学部の男子たちは、歯ぎしりしていた。

このやつ、イケメンだけでも許せないのに。

彼らの前で自慢話なんて!

これでは我慢できるか?!

金融学部の大学1年生が魔法大学のスクールチームのメンバーに挑戦するなんて。

お前は死字がどう書くか知らないんだろう!

「沈姉、このやつをしっかり懲らしめて!」

「そうだ、トレーナーをやめるまで叩きのめせ!」

りくやはすぐに目が輝き、感謝の眼差しで叫んでいる男子を見た。

「静かにして!」

シェンティンジは体育の先生に向かって言った。「先生、お願いしますが、裁判も兼ねてください」

高先生はため息をついた。「わかったよ、君たちが解決できるならいいんだけど...私もまだ検討中だ」

金融学部の学生たちがりくやに群がり、対戦場に向かって歩いた。

ギースも目が赤く充血しながら田有為の傍らに浮かんでいて、獰猛な笑顔を見せた。

その凶暴な笑顔がシェンティンジの目に映ると、彼女の背筋が一層寒くなった。

しかし、ギースの後遺症による徹夜だけが分かるのはりくやだけだ。

うん……クマがあると確かに凶暴に見えるね!

田有為は不安げな顔でささやいた。「ルオ・イェ兄さん、自信ある?」

「えーと……実は私、指揮があまり得意ではない」

「?」

「これが初めての実戦指揮だよ」りくやは爽やかな笑顔で言った。

「やってみるね!」

「???」

10×10の標準フィールドで、シェンティンジと彼女のブル皇帝は早くも待ち構えていた。

ブル皇帝は闘牛犬のようなポケモンで、凶悪な外見で二足歩行をしている。

淡紫色の皮膚があり、強力なアゴと鋭いキバがある。

シェンティンジのこのポケモンを見た時、りくやは少し残念がった。

もともと萌萌だったラルラスを見ることができると思ったのに!

結局、妖精の家系しかいないブル皇帝のレベルか!

高先生が口笛を吹いた。「試合開始!」

シェンティンジが腕を振り上げ、指さす先にブル皇帝が飛びかかる。

「噛み付く!」

しかし、ブル皇帝が半空中にいるうちに、ギースは嘲笑いながらその側に来た。

シェンティンジは心の中で驚きがよぎった。

これはどんな速さだ?

りくやは心の中でため息をついた。

ブル皇帝が噛み付くことを全世界が知っているのに、何故それを必殺技にするのか?

「ギース、スタンド」

ギースの黒い霧が捻じ曲がり、ガスの塊が分裂し、二つの嘲笑っているギースができた。

驚くべき速さで飛ぶ二つのギースが目の前に広がるレーザスの目に映る、そのすさまじい姿が人々の驚嘆を誘った!

「なんで……沈姉が押されてるみたい?」

「冗談だろ!それはただ敵を油断させる手段だ!」

シェンティンジの額から冷汗が流れ落ちる。

ギースの速さがあまりにも驚異的だ!

速さを制限しなければならない!

「ブル皇帝、オニフェイスを使え!」

「ギース、目を閉じろ!」

指示が同時に鳴ったとき、シェンティンジは震えながらりくやを見た。

彼がまるで「やっぱりそうだ」といった表情で、少し物足りなさそうだった。

「ばれてるって言うか。」りくやつぶやく。

彼女の胸にかつてない圧力がしめつける。

自分は……読まれたの?

先読みとは、トレーナーが戦闘中に相手の指示を予測することである。

これは非常に冒険的な指示戦術である。

失敗すれば、局面が完全に崩壊することになる。

しかし、先読みに成功すれば、相手のメンタルにとって破滅的な打撃となる!

そんなことない、ただの偶然だ!

シェンティンジが口元を硬く結んでいる。

彼は私の指示を偶然当てただけだ!

試合中、ブル皇帝の恐怖の顔はまるで盲目の人に見せているかのようで、まったくはずれていた。

一方、ギースは目を閉じながら、体に妖艶なふしぎなひかりを放っていた!

光が瞬く、ブル皇帝は頭を振って混乱に陥らなかった。

これによってシェンティンジはホッとして、視線を再びしっかりとしたものに戻した。

「ブル皇帝、噛み付け!」

ブル皇帝は大きく口を開けるが、ギースに簡単に避けられる。

シェンティンジは茫然とりくやを見る。

彼は足元を指さして、仕方なさそうに頭を振った。

ギースのくろざめのせいで、ブル皇帝の両足が震えて、まったく動かない!

「ブル皇帝は見た目が凶悍だが、性格は意外に臆病だよ。」りくやため息をつく。

「せめて図鑑をもっと見ていれば、彼とギースが見つめ合わないだろう。」

シェンティンジは口を開こうとするが、喉が詰まってしまう。

「ぼーっとしてないで!」りくやも焦ってきた。

「これは言葉で挑発するんだと思う、それが戦術だ!」

りくやは馬鹿げた。

彼は魔法大学のチームメンバーであろうと、ゴミのような戦術を見破れると思っていた。

それなのに、彼が口を開く前に、この少女はもう自閉症になっているのか?

こんなことでは演技すらできないよ!

シェンティンジは唇を固く噛んで、声が震えている。

「ブル皇帝、し、使え……」

「ギース、れいか!」

「シエ!end!」

獰猛な表情のギースが空中を舞い、3つの冷たいれいかが絶え間なく旋回しながら、最後に爆発的な火球に集まる。

寒々しい波動の中で、ブル皇帝は「ポン」という音で吹き飛ばされ、皮膚には散乱した痕跡が残っている!

「アウーー!!」

ブル皇帝が悲鳴をあげるが、ギースの連続技は止まらない!

これはターン制のゲームではない。

シェンティンジが局面を打破する方法が見つからなければ、ギースの攻撃がずっと続く!

それにしても、ギースの驚異的な速さの前に、ブル皇帝は反撃の隙を全く見つけられない。

シェンティンジのぎこちない指示に、りくやは焦りを感じる。

魔都大学はどうなったんだ?

今のチームは、こんなレベルしかないの?

ゲームで会ったことのある人たちの方が、もっとうまかったよ!

「轟!」

最後の爆発音と共に、ブル皇帝は途中で倒れ、床に落ちる。

沈んだ静けさの中で。

みんな茫然とりくやを見つめて、頭の中で大きな疑問符が浮かんでいる。

りくやは……学生チームのメンバーに勝ったのか?

りくやの試合前の言葉を思い出し、田有為はぼんやりしている。

これが、ちょっとも指揮できないって言うんだ?

口で「そんなにできない」と言って、結果は指揮だけで学生選手を圧倒した?!

ルオ・イェ兄さん、ちょっとびりんしょうち賞くらいは取らないと!