北原秀次は少し考えて、雪里に笑いながら言った。「じゃあ、倉庫から陽子のテレビを持ってきてよ。休憩時間に少し遊べるからね」
テレビは陽子のために買ったものだが、ここに移してからは使う予定もなく、そのまま倉庫に入れていた。ゲーム機についても、内田雄馬がしばらくの間、あの貴重なゲームをやったかどうかを聞いてきて、攻略について話し合いたがっていた。何度も使っても構わないと言ってきたが、彼には暇がなく、箱すら開けていなかった。しかし今、雪里が遊びたいというなら、少し遊ばせてあげればいいだろう。
雪里の場合は彼とは違う。雪里は勉強向きではなく、24時間本を読んでも無駄だ。将来は身体の天賦で生きていくことになるだろうから、休憩時に少し遊んでも影響はないはずだ。
「本当?」雪里は大喜びで、振り返って走り出し、叫んだ。「秀次、私に優しすぎる!」彼女はそう叫びながらロフトから飛び降り、風のように倉庫へ向かって走っていった。
北原秀次は微笑んで、二つの箱を開けてゲーム機、コントローラー、ハンドル、釣り竿など様々な機器一式を取り出した。内田雄馬はどうやらビデオゲームマニアで、かなり完璧な装備を揃えており、ゲームも数多くあった。
北原秀次は二つの箱の中身を入れ替え、H-Game、エッチなもの、子供向けでないもの、美少女攻略ゲームなどを全て取り出して封をした。残りは約五分の一で、アドベンチャー、スポーツ、パズルなどのゲームで、これなら子供でも遊べるだろう。
雪里はすぐにテレビを持ってきて、期待に満ちた目で北原秀次がゲーム機を接続するのを見つめていた。北原秀次は笑いながら尋ねた。「何をやりたい?」
「何があるの、秀次?」
北原秀次は選び出したゲームの山を指さして笑いながら言った。「全部そこにあるよ」そして、ゲーム機の内蔵メモリを確認すると、いくつかのプリインストールされたゲームがあることに気付き、リストを開いて雪里に見せた。
雪里はゲームを探しながら、嬉しそうに言った。「秀次が来てくれて本当に良かった。お姉ちゃんはいつも外に出してくれなくて、すごく退屈だったの...私に優しくしてくれて、この恩は忘れないわ。将来、私も秀次に特別に優しくするから」
北原秀次は黙ってうなずいた。まあ、この子は陽子よりも子供っぽいな。
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