第165章 お店を閉める_2

彼女は非常に賢く、法律にも詳しかった。特に遺産相続に関しては、一度聞いただけで七、八割は理解できた。

冬美はまだ混乱していたが、二人の表情の厳しい政府職員を見て、何か良くないことが起きているのを感じ取り、怒って振り向いた。「余計なお世話よ、生意気な！食べ終わったら早く出て行きなさい！」そして検察官たちの方に向き直って尋ねた。「一体どういうことですか？」

相馬という名の検察官は厳しい表情で、公務員らしく答えた。「福沢さん、本日昼間に訪問しましたが不在でしたので、病院に直接伺いました。福沢直隆さんは一時的に民事行為能力を失っていると判断し、この状況では家庭裁判所が監護人を指定する必要があります。指定されるまでの間、彼の合法的権益と私有財産を保護するため、財産は一時的に凍結されます。現在、この家屋の検査を行いますので、ご協力をお願いします。」

日本の法律によると、未成年者だけでなく、成年者にも対応する後見人制度があり、禁治産と準禁治産の二種類があります。これは主に弱者保護の観点から、病気により判断が困難な人の判断能力を補完し、不当な侵害を防ぐためのものです。

「禁治産」は判断能力を完全に失った成年者を指し、「準禁治産」は一定の判断能力を失った成年者を指します。前者については、家庭裁判所が後見人を指定して財産を管理し、後者については、家庭裁判所が保佐人を指定して判断の保護を提供します。つまり、重要な財産に関する決定は全て保佐人の署名同意がなければ法的に無効となります。

この法律の出発点は良いもので、判断能力を失った患者の個人財産が詐欺や浪費によって失われるのを防ぐことができます。しかし福沢直隆の場合は厄介でした。彼は現在植物人間状態で、確かに判断能力を完全に失っていると認められ、禁治産待遇を受けるべきです。家庭裁判所が後見人を指定するまでの間、彼の個人財産は法律で保護され、誰も勝手に動かすことはできません—純味屋も営業を停止しなければならず、もし倒産して巨額の損失が出れば、それは福沢直隆の負担となってしまいます。