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第130章 ついでに靴を磨いた_2

「はい、部長、このチャンスをください。必ず頑張ります!」小由紀夫は式島叶に丁寧に言った。先輩であり部長である彼女に丁寧でないわけにはいかなかった。

式島律は躊躇いながら言った。「小由先輩、やはり北原君を主将にした方がいいのではないでしょうか?」

小由紀夫は北原秀次を一瞥して、さらっと言った。「実力のある者を主将にするべきだ」。彼は以前から北原秀次と冬美のことが気に入らなかった。試合に家族連れで来るなんて何事だ?ただし、冬美はIH地区大会の実績があるから何も言えないが、北原秀次は彼から見れば単なる数合わせに過ぎず、絶対に譲るつもりはなかった。

後ろで見物させるつもりか?もし必死に戦って勝ったら、こいつが漁夫の利を得るのか?前に出て敵の体力を消耗させに行け!

彼は式島律を直接叱りつけた。「後輩、これは正式な試合だ。人間関係を持ち出す場面じゃない!私の考えでは、フォワードは長谷川が担当し、お前たち一年生三人は真ん中で敵の人数と体力を消耗させ、最後は私が勝負を決める」

式島律のことも眼中になかった。実力もそんなものだ。IH大会も縁故関係と人手不足で何とかチームに入っただけだ。それに二年生が一年生を叱るのは当然だ——フォワードは敢斗賞を取りやすく、同級生の長谷川に与え、自分は主将として勝負を決める役目を担う。

式島律が叱られると、内田雄馬はすぐに反発し、にやにや笑いながら反論した。「小由先輩、北原さんはとても強いんですよ。私も彼が主将に相応しいと思います!フォワードなら、私はどうですか?民主的に投票で決めませんか?」

彼ら三人は小グループを作っていて、五人で投票すれば必ず彼らが勝つ。小由紀夫もバカじゃない、顔色が一瞬悪くなった——この一年生の小僧どもは躾が必要だ。

彼が怒鳴り声を上げかけたとき、同級生の長谷川継良が丸く収めようとした。「みんなで相談しましょう。争うのはやめて、部長に決めてもらいましょう!」彼は善良な性格で、争い事が大嫌いだった。

式島叶は少し考え込んだ。北原は弟が強く推薦して特別に頼んできた助っ人だが、実力が未知数で少し不安だった。一方、小由紀夫は実力は平凡だが、よく知っている相手ではある……

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