半歩武侯に足を踏み入れたもうぶゆうの姿を前にして、シンギョクの興奮はますます高まっていった!
「これが、韓威の境界か...」シンギョクは深い息を吸い、その瞳には言葉にできない期待が滲んでいた。
しかし、その時、彼は目の前のもうぶゆうの様子が何かおかしいことに気付いた。
彼の境界は既に半歩武侯に踏み込んでいるはずなのに、その気配が極めて不安定で、まるでいつでも大宗師の頂峰から転落してしまいそうだった。
その光景を見て、シンギョクは冷笑し、「本当に半歩武侯に足を踏み入れたとでも思ったか? いや、きみはただの半人前だよ。」と言った。
「半人前ならば、それでもおまえを殺すには充分だ!」もうぶゆうは拳を握りしめ、冷ややかに言った。
もうぶゆうが傲慢なわけではない。ただ武侯の境界はあまりにも強大だ。
武侯という言葉に少しでも触れるだけで、彼は普通の大宗師とは比べ物にならない。
「さあ、こっちに...」
「バン!」
シンギョクの言葉がまだ終わらないうちに、もうぶゆうの一撃が炸裂した!
その驚異的な速度に、シンギョクすら反応できなかった!
その一撃だけで、シンギョクの身体は複数の壁を打ち抜き、肉体には一面の裂け目が生じた!
瓦礫の中から、シンギョクはゆっくりと姿を現わした。
彼は自身の傷を見て、しかめっ面を作りながら、「これが半歩武侯か?」と言った。
たった一撃で、山をも割る、川をも堰き止める力を手に入れた!
「シュ!」
その時、またしても内気を纏った拳が振り下ろされた!
言ってしまえば、この一撃は現代の兵器にも見劣りしない!
地面全体が一瞬で廃墟と化した!
シンギョクはすぐに身をかわし、顔には厳しい表情が浮かんだ。
「強い...」シンギョクは小声で言った。
「シンギョク、あんたが自分からやって来るなんて、今日は覚悟してろ!」もうぶゆうの怒声はまるで遠くの空から響いてくるようだったが、次の瞬間、すぐ目の前に現れた!
その巨大な拳はすでに激しく振り下ろされた!
シンギョクは逃げ場もなく、ただ一声で怒号を上げ、正面から応戦した!
「カーン!」
その天を突くような巨大な音は、人々を震え上がらせた!
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