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100 ペスト領域と帰途_5

実は第一印象だけで良いんだよね。

数本の安物の聖水、いくつかの偽のお札とスクロール、上手い芝居と傲慢な態度、そして手短にズバリとした台詞。

その材料があれば、君だってこれを信じてしまうんだろう?

これは君が悪いわけじゃないよ。

僕はこれだけで何人もだましてきた、ほとんど失敗することはなかった。

このしゃれこうべをやったあとで、みんなが心底から僕を『金持ちの息子』だと思ったわけさ。

これが『演技のルール:第一印象』の大切さなんだよ!

この刻まれた印象があるんだ。

たとえその後市場で物色したり、値段を交渉したりしても、君は僕をただの賢い金持ちの息子だと思うだけで、僕がそうでもないことには気づかないだろう。

後に雨林に入った時には、すでに意識的なプレイは必要なくなったんだ。ちょっとした細かい事をやっていれば、残りの部分は君が勝手に想像してくれるでしょ?言ってることわかるかな?

ごめんね、小さいマシュー。

これが僕が君を騙した第一の部分、ここで僕はリチュアルの第一歩ーー

「身分詐欺」を完了したんだ。

次が第二のステップーー

「認知詐欺」だ。

君が雨林やコールドシティを旅したとき、たった一人の無法者の詩人が、ナーガの宮殿を一人でかき回したニュースを聞いたことがあるだろう?

このニュースは海上も陸上も大騒ぎになったんだ。

君がそれを聞いた後、僕に対する尊敬と羨望は確実だったとわかっているよ。

その光景を想像するだけで僕は笑い出したくなるんだ。

ごめんね、小さいマシュー。

これは実は六七人の吟遊詩人の仲間を雇って、昼夜を問わず海岸線で噂をばらまいた結果なんだ。

今回僕は実際に君を騙したわけではない、六七人の吟遊詩人が同時に力を出せば、一定の範囲内で嵐のようなニュース効果を生み出すことができるんだ。

一番面白いのは。

この馬鹿げた話を信じたのは陸上の人々だけではなく。

海の中のナーガまで信じてしまったんだよ!

宮殿から遠く離れたナーガの戦士たちは、本当に内乱が起きたと思い込んで、すぐに互いに戦い始めた。

僕が去ったとき、彼らはまだ戦っていた。

その後の話は僕も知らない。ナーガたちはきっと戦いを止めているはずだ。

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