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しかし、ローランの熱烈な誘いを断ることができず、マシューは彼と一緒にアシ水城の外部市場に行ってしまった。
ここは人がたくさんいて、地面にはただ汚水が流れているだけでなく、野菜の葉や人がすてた馬糞、そして太い葦の茎が無造作に散乱していた。
これにより、マシューのアシ水城に対するすでに悪い印象がさらに悪化した。
彼の印象では、人口が多いときであってもローリングストーンズタウンの衛生状態はここほどには悪化しない。これはおそらくレイガが以前推進した下水道工事と関係があるのだろう。
草履を売る屋台の前で。
ローランは白髪の老女と話をしていた。
彼の格好良さと才気あふれる言葉達により、すぐに老女を笑い声を上げさせた。
しばらくして。
ローランは市価より3割安い値段で老女の手にあった8足の草履を手に入れることに成功した。
これにはマシューも驚かされた。
「君、値切りもできるのか?」と彼は思わず質問した。
ローランは肩をすくめて言った。
「彼女が地元の人に3シルバーコインで一足売っているのを聞いたけど、それは私に提案した価格よりもちょっと高いだけだよ!」
「それに、どうして値切りができないということなの?」
「私がお金持ちだからと言ってバカではないんだよ。」
この一連の出来事が、再びマシューの目の前の詩人、ローランに対する印象を覆した。
その後の買い物では、マシューはほとんど喋らず、ずっと隣でローランのパフォーマンスを見ていた。
結果、1時間も経たないうちに。
ローランはリストに書かれていた全ての道具を購入し終わり、なおかつ各商品の価格は商人が最初に提示した価格よりも30%〜50%安くなっていた。
このような結果を得られたのは、ローランの優れた「値切り」の能力だけでなく。
さらに重要なのは、彼が適切な取引相手を選び出すのが非常に得意であることだ。
マシューが気付いたのは、ローランが買い物をしたのはほぼ全て女性の露店であり、このような選択方法により彼の魅力が最大限に活かされていた。
ただ、数回彼が女性の露店主と盛んに話していて、二人がその場で何か行動に移すのではないかと思わせる状況にマシューは苦笑した。
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