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419章 タトゥー

鋼のアーマーシェルターの一室で、ハンセンは自分の目の前に座っているゼロを見つめていて、頭がひとつしかないのに三つ分くらいの混乱を感じていた。

山の腹部にある石窟でのあの日、ゼロはずっと無言でハンセンについてきて、ハンセンが歩くと彼女も歩き、ハンセンが止まると彼女も止まり、ハンセンが料理すると遠慮なく食べ、ハンセンが何か問うと、彼女は頷くか首を振るだけだった。

ハンセンは何も聞き出せず、この小さな尾をどうしても振り払うことができなかった。

ハンセンはゴールデンロアに乗って逃げようとした策を練ったものの、それは彼女が夜寝ている間に逃げるというものだった。しかし、ハンセンが一息ついてゴールデンロアに乗って半日走った後、食事を作るために休憩したとき、ゼロがすでに大きな目を丸くして鍋のそばでじっと待っているのを見た。

ハンセンはこの尾を振り払うための手段として全ての方法を試した。彼の見立てでは、この尾は大きな時限爆弾であり、どうしても身近に置いておくことはできない。しかし、ハンセンが思いつくすぐれた策をすべて使っても、なかなかこの尾を振り払うことができなかった。

彼女を振り払う唯一の方法は、恐らく力ずくでしかないだろう。しかし、ゼロが一撃でゴールドサンドワームキングや超級ペットアーマーを爆破した恐怖の力を思い出すと、ハンセンはすぐにその考えを捨てた。

そんな感じで、ハンセンはゼロを連れて避難所に戻った。もともと彼の考えでは、「友は死ねど己自身は死ず」であり、鋼のアーマーシェルターはたくさんの人々がいて、いざというときには、ゼロが他の誰かに興味を持つかもしれず、その人について行くかもしれない。そのときには、彼がその人に警告をし、連盟に何とかしてもらおうと考えていた。

だが、誰もが彼に執着しているかのようだった。ハンセンがどこに行くにも彼女がついて来る。まるで尻尾を追うかのようだった。

彼女がバカだと言えばそうだが、多くのことを彼女は理解しているようだ。少なくともハンセンが用を足しに行くとき、ゼロは自然とついてこなかった。

最終的に、ハンセンは彼女を鋼のアーマーシェルターの自分の部屋まで連れて行き、ゼロを見つめながら悩んだ。

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