アイアンアックスが大広間に入り、標準的な軍礼を行った。
「ティファイコの部隊は四日後に赤水川分岐点に到着する予定だ。そのため、第一軍は今日の午後に出発すべし」とローランは率直に命じた。「辺境の町に駐屯する部隊は、迎撃点であなた方と合流する。私もできるだけ早くそこへ向かう」
「小さな町に要塞は設けないのか?」
「敵の全動向は、ライトニングとメイジーの監視下にある。分割防御は必要なく、一点集中して撃破すればいい。」と王子は一息つき、「それに、長歌砦には貴族を見張るために百人の兵士を残す必要がある」
「ここに…残るのか?」とアイアンアックスは少々驚いた。
ローランは以前に五大家族に出した命令を簡単に説明した。「彼らを集めたのは監視しやすくするためだ。ティファイコが西境を攻撃すると知ったら、何か裏で動く者がいるかもしれない。第二軍の武器は古く、戦闘経験も足りない。不測の事態に対応しきれないかもしれない。だが、第一軍の十部隊の兵士を加えれば、彼らが問題を起こすことはないだろう。私は赤水川分岐点で戦闘を行う際、背後で何か問題が起きる事を望んでいない」
「承知しました、殿下」と彼は答えた。
「あなたも行くのか?」アイアンアックスが去った後、ナイチンゲールが主席の後ろから姿を現した。
「もちろんだ」ローランは手を広げて言った。「私がいなければ、誰がレンの力を上手く使うことができるだろう。指揮作戦はそれほど得意ではないが、地下要塞の封鎖や戦車の突撃は私の得意なところだ」
「地下要塞はわかるけど、坦克って何のこと?」ナイチンゲールは戸惑った顔をした。
「うーん……砲を引いていく馬車のことさ」と王子が咳を二回する。「しかし、我々には十分な馬がいないから、砲は小町号で運ばないといけない。だからそれを坦克と言うことはできないけれど」
「だからあなたがハチミツを選んだのね?」彼女は瞬きをした。「彼女が虎や豹を馬のように従順にすることは私も知っているわ。でも、野獣が引く砲も坦克と呼んでいいの?」
「もちろんだ」とローランは微笑を浮かべた。「それこそ、タイガー型やレオパード型と呼んでもいいくらいだよ」
その最中で、カーターが白尾ツバメを抱えて入ってきた。「殿下、辺境の町からの報告がきています」
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