9:37 AM
一時間目はもう始まっていた。そして、僕はどこにいるんだ!?
頭をかきながら、迷子になったことに困惑していた。鳥を見て、猫を追いかけて、犬を少し追いかけただけなのに。こんな路地が家の近くにあっただろうか?見覚えのない景色だった...
交差点で首を伸ばして、学校の建物が見えないかと探していた。
ドタドタドタ。
追いかけられている音がすぐに僕の注意を引いた。男が全速力で僕の前を駆け抜け、その後ろには長い脚で驚異的なスピードで追いかける人がいた。すぐに追いつくだろう。
待って、あの人、僕と同じ制服を着ているんじゃないか!?
制服のことは関係なく、好奇心から追いかけることにした。僕は他人のことに首を突っ込むのが好きじゃないけど、友達に自慢できる面白い話を逃したくなかっただけだ。
あっという間に、学校の友達が追いついて、男の襟を掴んで壁に叩きつけた。
「財布を渡せ、今すぐ!」
その深くて威圧的な声に、男は恐怖で震えていた。僕は壁を使って隠れながら、その状況を見守った。
「財布はどこだ?渡せ。もう一度言わせるな!」
「お願いです、殴らないで!殴らないでください!財布が欲しいのか?ほら、持っていけ。」
白昼堂々と強盗するなんて?良き市民として、黙って見ているわけにはいかない!
「おい!弱い者いじめをやめろ!」僕は通りに飛び出し、凶悪犯に向かって叫んだ。威圧はすぐに止まった。凶悪犯がこちらを向いたとき、黒縁の眼鏡の奥にあるハンサムな顔を見て、世界が回るような感覚に襲われた。彼の鷹のような鋭い目と黒い髪が、僕の体を恥ずかしさで熱くさせた。この人、危険なほど魅力的だ!
「君は...」
彼が何か言おうとする前に、怯えた男が隙を突いて逃げ出そうとした。凶悪犯は再び男を壁に押し付けた。
「おい、やめろ!おじさん、逃げろ!僕が何とかする!」僕は前に飛び出して、凶悪犯の腕にしがみつき、全力で引っ張った。大きな足音が遠ざかっていくのが聞こえた。
「放せ!あいつが逃げちゃうだろ!」
「絶対に放さない!命がけでも!おじさん、早く逃げて!」目を閉じて叫びながら、振り回されて目が回り始めた。
バシッ!
何かが背中に強く当たって鋭い痛みを感じた。
まさか、仲間がいるのか?
振り返ると、おばあさんがバッグで僕を叩いていた。その後ろには、靴で叩いてくる別のおばあさんがいて、近所の女性たちが見つけた物を使って僕を打ち据えていた。
どうして僕が攻撃されるんだ!?
「若いくせに悪党め!この年で強盗しようとするなんて、これでも食らえ!」
「なぜ僕を叩くんですか!?僕は善良な市民です!」
「善良な市民?嘘つきめ!逃げろって言ってるのを聞いたぞ。あんたも共犯だな!みんな、やっつけろ!」
ああ!おばさん、それは生の豚肉が入ったバッグだよ!おばあちゃん、その一撃は強すぎるよ!どうして僕が被害者を逃がすのを助けたのに攻撃されるんだ?
「皆さん、落ち着いてください。どうかやめてください。」
凶悪犯が話すと、近所のおばあさんたちはすぐに止まり、後退した。
何が起こったんだ?どうしてみんな彼の言うことを聞くんだ?彼があまりにも魅力的だからか?