第396章 巨穴の傍らの少女！

「思いがけない収穫だな」と秦玉は心の中で思った。

顔四海の野心は、想像以上に大きかった。

顔お爺さんとは違い、顔四海自身が武道の達人であり、武道界の力をより重視していた。

しかし、彼らが成功すれば、その時には顔家は本当に揺るぎないものとなり、顔四海の地位を揺るがすことは更に難しくなるだろう。

「皆さんは顔家に仕える最初の人々です。顔家は忘れません」と顔浩然は淡々と言った。

皆はそれを聞いて、興奮して言った。「もちろんです、ありがとうございます、顔若様！」

その時、顔浩然は傍らの秦玉に気付いた。

眉をひそめて言った。「宗師？この者は誰だ？」

「ああ、顔若様、こいつは勝手に来た者で、一枚噛もうとしているんです」と景世宏が言った。

「この戦場の陰気が既に爆発し、危険が潜んでいるので、私たちは彼を道案内として使おうと思っています」と傍らの者も続けて言った。

顔浩然は頷き、秦玉を見つめ、その目には奇妙な色が浮かんでいた。

その感覚に、秦玉は心中不安を覚えた。

まさか...正体がばれたのか？

「宗師...あの秦玉も宗師だったな」と顔浩然が言った。

景世宏は真っ先に頷いて言った。「その通りです、顔若様。今回の目的はその秦玉なのですか？」

顔浩然は軽く頷き、言った。「秦玉は私の祖父を殺し、その遺体を奪った。この仇は必ず討たねばならない」

皆はそれを聞いて、すぐさま義憤に駆られて言った。「なんと卑劣な！顔家から機縁を与えられたのに、逆に顔お爺さんを殺すとは！」

「顔若様、たかが宗師一人、あなたが直接手を下す必要はありません。ご命令一つで、我々が即座に始末いたします！」

顔浩然は首を振り、言った。「秦玉は普通の宗師とは違う。私の伯父は三人の大宗師の頂点を送り込んで彼を絞殺しようとしたが、今では行方知れずだ」

「大宗師の頂点？」この言葉を聞いて、皆の顔色が一瞬変わった。

「つまり...秦玉が三人の大宗師を斬ったということですか？」

「いや、そうではない。宗師がどんなに強くても、大宗師の頂点には勝てない」と顔浩然は首を振って言った。

「私の推測では、彼の背後に薬神閣のような後ろ盾がいるのだろう」

「なるほど」この言葉を聞いて、皆は自ら名乗り出ることを止めた。

結局のところ、薬神閣の地位は揺るぎないもので、誰も彼らを敵に回したくはなかった。