092 巡礼者

「私たちの軍需物資輸送機を使う必要がある」

フェリアン拠点で、韓瀟はアントンノフに言った。

アントンノフは少し驚き、一字一句丁寧に言った。「我々は大規模取引の時だけ軍需物資輸送機を使用します。たとえあなたがブラックゴールドVIPでも、相応の費用を負担していただく必要があります」

「分かっています」

「では、何人運ぶのですか？いつ出発しますか？」

「私一人です。今すぐに」

アントンノフの肥えた顔の皺が波のように震え、しばらく言葉が出なかった。最後にようやく「なんて無駄な」と絞り出した。

軍需物資輸送機は、約一日で目的地に到着できる。機内には簡易ワークショップが設置されており、韓瀟は移動時間を無駄にすることなく、機械製造で経験値を稼ぐことができた。

「一回の費用は5万です。よろしいですか？」

韓瀟は10万入りのアタッシュケースから札束を取り出し、テーブルに投げた。「いつ搭乗できますか」

「1時間後です」

フェリアンは朝風市空港で滑走路を長期リースしており、数機の緑色の巨大輸送機がプラットフォームに停まっていた。韓瀟は装備と材料を持って機体の一つに乗り込み、すぐに機体の振動を感じ、飛行機は加速して離陸し、雲霄へと突き進んだ。

成層圏で安定すれば、機械の製造を始められる。

……

灼熱の太陽が果てしない砂漠を照らし、砂は人体が耐えられないほどの熱さに熱せられていた。

20数人が足を引きずりながら、砂漠を進んでいた。

彼らは破れた灰色の長衣を着て、どれほど洗っていないのか分からず、悪臭を放っていた。汗で服は濡れ、べたべたと体に張り付いていた。唇は乾いて割れ、目は窪み、顔には隠しきれない疲労の色が浮かび、今にも倒れそうにふらつきながら、同じように病んで痩せこけた駄馬を引いていた。

ソマリ砂漠にはかつてオアシス国家が存在し、豊かで平和な生活を送っていた。戦争が勃発後、この国は滅び、オアシスは銃火と砲弾によって完全に破壊され、周囲の砂漠と同化した。この襤褸を纏った人々は、かつてこの国の民だった。