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第39章 面白い技

 実のところ、あのノートが破壊されたのか、隠されたのかは分からない……だが逆に考えれば、破壊するのであればその場でできるはずで、俺に持ち去らせた後にする必要はない……レオナルドの問いかけを聞いて、クラインは一瞬で「Mu Complex」式の推理を進め、静かに言った。

 「もしかしたら僕とウェルチ、ナヤが接触した未知の存在は『生贄』になる命を享受し、その後も似たような事を続けたかったのかもしれません。だから『自殺』が絶対に発見される状況では、僕にノートを持ち去らせて隠させ、第二の『生贄』の準備をするつもりだった。ところがその過程で何か問題が起きて、最終的に僕の自殺が成功しなかったのではないでしょうか。」

 これはクラインが前世で見た邪悪な祭祀に関する資料、小説、映画、ドラマなどから導き出した合理的推測である。

 その過程で起きた問題についても、彼は非常に明確だった。それは、タイムスリッパーである自分という「変数」が増えたことである。

 「素晴らしい解釈ですが、別の可能性もあるのではないですか。ウェルチとナヤの自殺という犠牲によって、未知の存在が降臨することが可能になった。あのノートは邪悪な物が乗り移っていたか、それらがはらんでいて、あなたに持ち去らせ隠させたのは、邪悪な物が誕生する前に、または強大になる前に、我々に発見されて抹殺されるのを恐れたからだとも考えられますよね。」レオナルド・ミッチェルはもう1つの可能性について語った。

 ここまで話すと、彼はクラインの目を見つめ、かすかにほほ笑んで言った。

 「もちろん、ノートはすでに破壊されているかもしれない。目的は書かれていた内容を隠すこと、そして乗り移っているか、またははらんでいる邪悪な物を隠すことです。そうであれば、あなたの自殺が未遂に終わった理由も充分に説明がつきます。」

 どういう意味だ?俺を疑っている?以前の主の体に邪悪な物が乗り移っていたかはらんでいた?いや、乗り移ったのはタイムスリッパーだ……「はらむ」っていう単語はすごいな……クラインはあっけにとられ、心の中で突っ込みながら言葉を選んで言った。

鎖定章節

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