ニールはこめかみを揉みながら言った。
「君たちが自殺した原因はだいたいわかったし、あのノートもルエル・ビーボの手に渡ってしまったし、それにもうこのことは明るみになったのじゃから、君が生きていようが死んでいようが、これから先の展開に影響を与えるのは難しいじゃろう。わしが思うに、このようなことを引き起こした奇異な存在や神秘の力は、もう君を特別視することはないじゃろう。君が地面のアリに注意を払わないように。ハハ、君が「神」に君のことを思い出してもらおうとしなければの話じゃが。」
「だが、わしたちがルエル・ビーボを指名手配していることは、すぐさま密修会に伝わるころじゃろうし、これがアンティゴノス家のノートの行方と関係しているということについて、奴らは見当がつくはずじゃ。真面目な話、このような何千年もの間生き延びてきた秘密組織には、さまざまな情報ルートがあるものじゃ。よって彼らの関心はルエル・ビーボの行方に移り、わしらよりも先にノートを見つけようとするじゃろうから、もう君のところへやって来て君に嫌がらせをしたり、君を尾行したり、困らせたりすることはないし、もうできないじゃろう。」
「若者よ、おめでとう。今までの暗い影を抜け出し、もうすぐ太陽の光が満ち溢れた新しい旅路がやって来るんじゃ。」
クラインはそれを聞きながらしきりに頷き、嬉しそうな、ほっとした様子でこう言った。
「そうなることを願っています。」
タイムスリップしてこちらに来てから、頭の上をずっと覆っていたもやが、本当に消え去るかもしれない……
しかし正直に言えば、クラインはまだ少し不安だった。というのも通常の人質解放任務を行うときに、そこに残る痕跡をいつも極めて偶然に発見するほど、自分とあのノートとは、何かの絆に結ばれているようだったからだ。
彼はある日突然、郵便配達員が小包を届けに来て、それを開けてみると、あのアンティゴノス家のノートだった!となることを本当に恐れているのだ。
全てはニールさんが言う通りの展開になりますように……クラインは無言のまま祈った。
ニールはクラインの返事を聞くと、嘲笑うかのように言った。
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