第490章 半歩武侯、たかがしれている

五長老の目も同じく光を放ち、入り口を見つめていた。

二人の視界の中で、扉がゆっくりと開いていった。

そして、秦玉がゆっくりと出てきた。

五長老は急いで立ち上がり、秦玉の腕を掴んだ。

彼は興奮した表情で、涙を浮かべながら震える声で言った。「秦玉、お前...やっと出てきたか...」

話しながら、五長老の顔は涙でびしょ濡れになっていた。

秦玉は目を丸くして、呆然と尋ねた。「五長老、どうしたんですか？」

続いて、秦玉は傷だらけの二長老を目にした。

彼は急いで二長老を支え、焦りながら言った。「二長老、あなたは...どうしたんですか？誰がこんなことを？」

二長老は秦玉の手を掴み、冷たく言った。「秦玉、どうあっても、復讐せよ！」

「一体何があったんですか」秦玉は何か不吉なものを感じ取った。

二長老と五長老はすぐに事の経緯を秦玉に説明した。

彼らの話を聞くにつれ、秦玉の怒りは増していき、殺気が急速に広がっていった！

「閣主様が聖儒門に捕らえられたというのですか？」秦玉の表情は険しかった！

閣主は秦玉に山のような恩がある。何度も危機から救ってくれただけでなく、豊富な資源まで与えてくれた！

この恩は、秦玉が生涯忘れることはない！

「大長老が密かに毒を使わなければ、あの半歩武侯たちは閣主様の相手にもならなかったはずだ！」二長老は怒りながら言った。

秦玉は深く息を吸い込んだ。

心の中の怒りを抑えながら、身を屈めて言った。「二長老、しっかり養生してください。私が今から大長老を始末してきます！」

「そして聖儒門も...必ず訪ねていきます！」

どんなことがあっても、秦玉は閣主が傷つくのを許さない！

「五長老、二長老をお願いします」秦玉は五長老を見た。

五長老は頷いて言った。「わかった、気をつけろよ」

秦玉は何も言わず、振り返って閣主楼へと向かった。

閣主楼にて。

大長老は快適そうに揺り椅子に座っていた。

彼の前には、かつて閣主が最も好んだ紅茶が置かれていた。

そして傍らには、二人の薬童が仕えていた。

薬童たちの顔は極度の恐怖に歪んでいたが、今の大長老に対して怒りを感じながらも何も言えなかった。

「どうした、私に仕えるのが嫌なのか？」大長老は冷たく言った。