第31章 薬参と偽る大根？

沈天は顔を真っ赤にして、必死に手を振り払おうともがいた。

しかし、秦玉の手は鉄のような力で握りしめられ、まったく動かすことができなかった！

沈天の顔色が悪くなっていくのを見て、秦玉は心配そうに尋ねた。「沈さん、どうされましたか？顔色が悪いようですが。体調でも悪いのですか？」

その言葉を聞いて、沈天は怒りで血を吐きそうになった！

「なぜ黙っているんですか？沈さん、私は少し医術を心得ていますが、診てみましょうか？」秦玉は意味ありげに笑いながら言った。

「お前...離せ！」沈天は怒りを込めて言った。

「ああ、早く言ってくれれば。」秦玉は悟ったように、すぐに手を離した。

沈天は後ろに倒れ込み、尻もちをついた。

「沈さん、どうされましたか？大丈夫ですか？」秦玉は心配するふりをして、急いで助け起こそうとした。

沈天は秦玉の手を払いのけ、冷たい表情で言った。「私をからかっているのか。」

「沈さん、どういう意味ですか？私にはさっぱり分かりませんが！」秦玉は意味ありげに笑いながら言った。

「貴様！」沈天は歯を食いしばり、深く息を吸って、なんとか冷静さを保とうとした。

「あなたとは争いたくありません。」顔若雪のことを考えて、沈天は優しい笑顔を取り戻した。

秦玉もこの沈天とは争う気はなく、懐から水韻丹を取り出し、顔若雪に渡した。

「顔お嬢さん、お知り合いになってからずっと何もお贈りできていませんでした。これは私の気持ちです。受け取っていただけますか。」秦玉は水韻丹を顔若雪に差し出した。

顔若雪が手を伸ばす前に、沈天は嘲笑うように言った。「この箱、露店で買ったんじゃないのか？この安物の箱は百元もしないだろう。」

「馬鹿を言うな！」秦玉は沈天を睨みつけた。「これは二元ショップで買ったんだ！」

沈天は冷笑した。「秦さんは本当に気前がいいですね。こんなものを贈り物にするなんて。顔お嬢さんを侮辱しているようなものですよ。」

「いいえ、私はとても気に入りました。」その時、顔若雪は箱を受け取った。

「秦玉、ありがとう。とても嬉しいわ。」顔若雪は笑顔で言った。

沈天の表情が一瞬にして曇った。

「顔お嬢さん、私も贈り物を持ってきました。」沈天は自信に満ちた様子で言った。