……
十分後、葉辰は数人を片付け、朱雅と百里氷を伴って龍脈の地へと足を踏み入れた。
洞窟に入るや否や、極めて強い熱気が襲いかかり、洞窟全体の温度は極めて高く、数歩も歩かないうちに、二人の女性は全身汗まみれとなり、ブラジャーの色や谷間までくっきりと浮かび上がっていた。
葉辰は仕方なく首を振り、血竜の気を少し放つと、二人の女性は体が楽になり、汗も消えていった。
突然、葉辰のポケットの特殊な携帯が鳴り出した!
百里雄が近くにいる!
葉辰は目を細め、南側で何か物音を聞いたが、携帯の指示は西側を示していた!
そのとき、百里氷は何かを感じたように、ある方向へと向かっていった!
その場所は熱気がますます強くなり、数十歩進むと、断崖絶壁に出くわした!
断崖には切断された腕や死体が百体ほど散乱し、死体の山が築かれ、血生臭い光景は恐ろしいものだった!
そして断崖の下には、煮えたぎるマグマが!
「葉さん、なぜか父が近くにいる気がするのですが、もしかしてマグマに落ちてしまったのでしょうか?」
百里氷は必死に死体を探り、父の存在を探そうとした。
しかし全てを探しても、見つからなかった!
「本当に落ちてしまったのでしょうか?」百里氷は魂の抜けたように言った。
彼女は四人の鉄血営の戦士の死体は見つけたが、父の姿だけがなかった。
不安な感覚が明確に広がっていった。
葉辰は何も言わず、携帯の画面は激しく赤く点滅していた。これは一つのことを示していた。百里雄は死んでおらず、しかも近くにいるということだ!
葉辰は現場を一瞥すると、何かに気付いたように一歩踏み出した。断崖下の岩の上に、息も絶え絶えの体が掛かっているのが見えた!
その体は血まみれで!服はボロボロ!胸には大きな血の穴が!
その青筋の浮いた手は断崖の縁の突き出た岩をしっかりと掴んでいた!
手のひらは血だらけ!
百里雄!
今の百里雄は重傷を負っていた!ほとんど意識不明の状態で!負傷しながらこれほどの修錬者と古流武術家を倒すことができる者が、華夏に何人いるだろうか?
百里雄のような存在だけだ!
今の百里雄の手は完全に意志の力だけでその岩を掴んでいた!しかもどれだけの時間耐えてきたのか分からない!
彼は生きたかった!
生きて山河を守り、華夏を守り!秦嶺の龍脈を守り!数億の民を守るために!
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