第187章 我に逆らう！（5章目！推薦票募集）

彼はまた、病床にいる老人の顔色が幾分良くなっていることに気づいた。丹薬を飲ませようと思ったが、ポケットにある丹薬の効果が強すぎて、老人の体が耐えられないかもしれないと気づき、諦めるしかなかった。

夏若雪は葉辰の側に寄り、小声で言った。「葉辰、おばあちゃんは本当に目を覚ますの？」

葉辰は微笑んで言った。「私が約束したことで、実現できなかったことがあるかい？」

夏若雪が何か言おうとした時、病床の祖母が軽く咳をし始めた。彼女は目を輝かせ、すぐに駆け寄った。

夏の母も非常に興奮し、震える声で「お母さん...目を覚ましたの？」と言った。

病床の老人は目を開け、その濁った瞳に一筋の光が宿り、手を伸ばして「水...」と言った。

夏若雪はすぐにぬるま湯を一杯用意し、慎重に老人を起こして「おばあちゃん、まずは水を飲んで、ゆっくりと」と言った。

老人は水を飲み終えると、目を葉辰に向けた。

意識を失っていた時も、いくつかのことは分かっていたのだ！

この数日間、病室で起きたすべてのことを、はっきりと感じ取ることができていた。

他人に伝えようとしても、体を動かそうとしても、それは全く不可能だった！

まるで暗闇に閉じ込められているような、とても苦しい感覚だった。

葉辰が近づいてきて何か言おうとした時、病床の老人は葉辰の前に跪こうとした。

これは命の恩人なのだ、どう報いればいいのか！

「葉神医、私の拝礼を...」

葉辰は急いで老人を支え、跪かせないようにして言った。「おばあさん、何をなさるんですか。私は若雪の友人です。助けるのは当然のことじゃないですか？このように跪かれては、私が恐縮してしまいます！」

夏若雪も同様におばあちゃんを支え、諭すように言った。「おばあちゃん、葉辰は身内なのよ。そんなことしなくていいの。それに、彼は私に恩があるの。この前、私と寝...」

突然、声が途切れた。

うっかり口を滑らせてしまった！

夏若雪の体は硬直し、夏の母と老人も呆然としていた。

数秒後、病床の老人は我に返り、目に笑みを浮かべながら葉辰の手を叩いて興奮した様子で言った。「葉神医はいい人だわ。あの秦家の畜生とは大違い...若雪、おばあちゃんは葉辰との関係を応援するわ。おばあちゃんも年だから、ひ孫が抱けたらもっといいわね...」

夏若雪の白い顔は極限まで紅潮した。