第549話 直接口封じ

一目で見渡すと、がっしりとした体格の男が大股で歩いてくるのが見えた。

その周りには四、五人が付き添っており、一人一人が大宗師だった！

詐称者は顔色を変え、即座に事態の悪化を察知した！

まさか、計算違いだった！この王雄が一日早く来るとは！

王雄が皆を一瞥すると、誰も口を開く勇気がなかった。

その後、彼の視線は甄月に向けられた。

「甄門主、考えは決まったかな？」王雄はにやにやしながら言った。

甄月は顔色を変え、歯を食いしばって言った：「王さん、この碧落楼は私たち甄家の先祖から受け継いだものです。このような横暴な方法で奪うのは筋が通りません...」

「筋だと？」王雄は冷ややかに一声笑い、そして言った：「無駄口を叩くな！言っておくが、この碧落楼は必ず手に入れる！」

「それに言っておくが、これは私個人の考えではなく、聖儒門からの命令だ！」

聖儒門という言葉を聞いて、皆の顔色が再び変わった！

北方第一の宗門である聖儒門が、なぜここに目をつけたのか？

「甄門主、お前が美人だから相談してやっているんだ。」王雄はにやにやしながら言った。

「こうしようじゃないか、いっそのこと俺の女になれ。豪華な暮らしを約束してやる！」

甄月は密かに歯を食いしばり、表情は極めて不快そうだった。

王雄は目の前の甄月を色欲に満ちた目つきで見つめ、よだれを垂らさんばかりだった。

甄月は黒いミニスカートを身につけ、上着のVネックが彼女の体つきを完璧なまでに際立たせていた。

そして甄月は碧城で有名な美人で、碧城一の美女と称されていた！誰もが心を動かされないはずがない！

「どうだ、考えはついたか？」王雄はにこにこしながら言った。

甄月は歯を食いしばり、思わず隣の詐称者を見た。

「王雄、調子に乗るな。聖儒門がなんだというんだ！」この時、甄月の側にいた者が大声で叫んだ。

彼は詐称者を指差して叱責した：「この方が誰か知っているのか！この方こそ、あの名高き秦玉だ！秦さんがいれば、聖儒門も好き勝手はできないぞ！」

秦玉という二文字を聞いて、王雄たちの顔色が一斉に大きく変わった！

「お前が秦玉か？」王雄は試すように尋ねた。

詐称者は顔色を変えた後、王雄の顔に恐れの色が浮かんだのを見た。