江古が語った管嘉荣と、シンギョクが見たものは、ほぼ同一人物ではないようだった。
まあ、ほとんどの悪者は、日常生活の中では善良そうに振る舞っているものだ。
「この老いぼれ、まさか私をだまそうとしているのか」と、シンギョクは目を細め、顔から凍りついたような寒気が一瞬流れた。
江古は振り返って言った。「まあ、彼は何といっても江北武道協会の会長だから、彼を怒らせるようなことをしたがる人なんていないだろう」
シンギョクは江古をちらっと見つめて、「皆が彼を甘やかし、過度に容認しているからこそ、彼はやりたい放題できてしまうのだ」
「今回、私が彼に代償を払わせてみせよう」
言い終わるとシンギョクは江古を見つめ、「うわさを広めておくれ、半月以内に江北武道協会が私の霊気を補い戻さなかったら、その結果は自業自得だと」
江古は眉をひそめて、「シン先生、本当にそれでいいんですか?彼はやはり武道協会の会長ですよ...」
「それがどうした」と、シンギョクは冷たい声で叱責した。
「もし彼が武道協会の会長なので我慢しなければならないとしたら、私もまた彼を無理やりに持ち上げたり見下したりする者と何の違いがあるというのだ」
このような風潮に、シンギョクはとうにうんざりしていた。
その様子を見た江古は、やむを得ず頷いて「わかりました、シン先生。そのとおりにします」と言った。
江古を送り出した後、シンギョクは次の行動を計画し始めた。
今回楚州に戻る一番の目的は、前回省都で見た戦場だ。
そこから立ち上る陰気の濃度は想像を超えており、シンギョクにとってはこれ以上ない修行の場であった。
今のシンギョクは霊気ではもう一歩も前に進めないので、彼は新たに目標を陰気の方に向けた。
「何人か大宗師がいればいいのに」と、シンギョクはあごをなでながら心の中で思った。
シンギョクがゲン家の二人の頂峰大宗師を吸収した結果は、予想以上の効果をもたらした。
と言っても過言ではないだろう。大宗師を十人集めれば、シンギョクは開光期、つまりは武道界の大宗師に足を踏み入れるチャンスがある!
開光期に足を踏み入れれば、シンギョクは世界中のどんな大宗師も恐れない!
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