第112章 顔若雪の写真

柳世輝は怒りで体が震えていた！顔家を恐れていなければ、とっくに秦玉と命を賭けて戦っていただろう！

「よし、よし」柳世輝は秦玉を指差し、冷笑いながら言った。「パラサイトシングルがいつまで威張れるか、見ものだな！」

その言葉を残し、柳世輝は踵を返して立ち去った。

秦玉は彼の背中を見つめ、思わず冷笑を漏らした。

その後、彼は自ら姚青に霊気を注入し、さらに数種の丹薬を調合して、姚青の傷の治療にあたった。

ベッドに横たわる姚青を見て、秦玉は感慨深げだった。

姚青は本当に素晴らしい奴だ。彼の助けがなければ、今回は柳世輝に邪魔されていただろう。

翌日の昼の時間になってようやく、姚青は意識を取り戻した。

「秦さん」目覚めた瞬間、姚青は慌てて起き上がろうとした。

しかし秦玉は手を振って言った。「そのまま横になっていなさい。今の体調では動かない方がいい」

姚青は歯を食いしばり、小声で言った。「私が役立たずで申し訳ありません...」

「いや」秦玉は首を振った。

「今回は君のおかげだ」秦玉は真剣に言った。

姚青は苦笑いを浮かべ、ため息をつきながら言った。「柳世輝は内勁大師です。その実力は侮れません。私と彼の差は余りにも大きすぎます」

「内勁大師？」秦玉は眉を上げた。

修道のレベルに換算すると、柳世輝は築基期初期に相当し、煉気期頂点の秦玉をわずかに上回る程度だ。

しかし秦玉は心配していなかった。

修道と武道は本質的に異なるもので、その実力は絶対的に武道を上回る。

秦玉には柳世輝を楽々と倒せる自信があった。

「安心しろ、必ず仇を討ってやる」秦玉は笑って言った。

姚青は驚き、急いで言った。「秦さん、決して無茶はしないでください！この柳家は並大抵の家柄ではありません。沈家以上の存在なのです！」

「柳家のことを知っているのか？」秦玉は訝しげに尋ねた。

姚青は頷いて言った。「以前、沈天の側にいた時に、彼らと取引があったので、少し知っています」

秦玉はうんと相槌を打ち、姚青に続きを促した。

姚青は考え込むように言った。「柳家は普通の商人とは違います。彼らの家族は大勢の門客を抱えていて、その中には各界の名士が含まれています」

「例えば書道界の大物や、玉石界の名士、武道界の高手など...」