第172章 嫌がらせ！（推薦票募集中！）

「葉様。」電話の向こうの声が少し震えていた。

「どうした？」

烏項明は数秒躊躇した後、「葉様、今江城にいらっしゃいますか？お話しすべきかどうか迷っていることがあります」と言った。

「江南省にいる。何かあるなら直接言え！」

葉辰の口調は少し強気だった。烏項明の眉間には彼の精血が注入されており、世界中の誰もが彼を裏切ったとしても、烏項明は決して裏切らないと確信していた。

相手のこの口調は、明らかに何かが起きたということだ！

烏項明は「江南省」という三文字を聞いて、少し驚いた後、真剣に言った。「葉様、烏家の家主があなたにお会いしたいと。お会いにならなくても結構です。ここは私がなんとか引き止められます。」

葉辰の眉間がゆるんだ。

あの日の誕生日パーティーで、烏項明は彼の味方につき、さらには秦家の者を斬り殺した！それにより江南省の秦烏両家の対立は激化した。

秦家は必ず烏家に難癖をつけるだろう。そして烏家が最初に責任を問う対象は当然、烏項明だ！

おそらくこの男はここ数日、大きなプレッシャーに耐えていたのだろう。

今日はさすがに耐えきれなくなって、彼に電話をかけてきたのだ。

彼は烏項明にとって最後の藁になるかもしれない。

この件は元々彼が原因で起きたことだし、烏家が自分を探してくることは予想していた。一度会うくらい、何の問題もない。

烏家の件から、彼は逃げられない。

まさか烏家が彼を食い物にできるとでも思っているのか！

「住所を教えてくれ。後で行く」と葉辰は淡々と言った。

電話の向こうの烏項明は驚き、逆に葉辰を諫めた。「葉様、もう少しお考えください。私は烏家での地位が低くないので、彼らは私をどうこうすることはないでしょうが、しかし…」

話が終わらないうちに、葉辰は「住所を携帯に送れ。以上だ」と言った。

電話は切れた。

しばらくして、彼の携帯に住所が送られてきた。

……

20分後、南烏江のほとりで、一台のメルセデスベンツの商用車が停まった。

小邓は中の中国式別荘を一目見て、これが江南省の烏家だと分かった。

「葉様、江城に来られたばかりで基盤もまだ固まっていませんが、本当に烏家に行かれるのですか？」

その言葉には、心配が滲んでいた。