第356章 「152！」
普通の人が超越の魔女に勝てる武器？
ウェンディが去った後、アエゴサはずっとこの言葉について考えていた。彼女たちは本当に超越者とは何かを知っているのだろうか？
残念ながら手元にバランス魔石がないため、これらの人々の魔力とその種類を明確に理解することができなかった。
待ちくたびれそうになった頃、ナイチンゲールが彼女の部屋の前に現れた。「殿下が新しい武器の試射を見に来るようにと招待されています。もし行きたくないのでしたら——」
「行きます」と彼女は重々しく言った。「案内をお願いします」
眠そうな顔をして、あくびをするローラン王子を見て、アエゴサは突然、彼の顔に氷の破片を投げつけて目を覚まさせたい衝動に駆られた。しかし、他の魔女たちに誤解を招きかねないそのような行為は、結局心の中で考えるだけに留めておくしかなかった。
城を出て、彼女は初めて昼間にこの町の全容を目にした。
大雪の中で、まず頭に浮かんだ印象は整然さだった——規則正しく並んだ二階建ての家々は、デザインも大きさも全く同じで、白い輪郭と赤いレンガの傾斜屋根が特に調和していた。黒い通りはすべて直線的で、町を同じような大きさの区画に分割し、近くから遠くを眺めると、建物、木々、通り、木々、通りの繰り返しが層状に重なっているように見えた。
タキラでさえ、内城区でもこれほどの整然さは実現できていなかった！
しかし、彼女が挽回できたと感じたのは、この町には城以外に二度見する価値のある建物が一つもないことだった。城自体も、その壮大さにおいてタキラの高塔には遠く及ばなかった。
所詮は小さな町に過ぎない、とアエゴサは心の中で軽蔑的に鼻を鳴らし、ナイチンゲールの方を向いて尋ねた。「ここには何人住んでいるの？」
「うーん...最初は2000人ほどでしたが、今は南北からの難民を加えると、約3万人になっているでしょうか」
2000人で悪魔に勝てるなんて言うのは馬鹿げた——待って、3...3万？アエゴサは目を見開いた。タキラでさえ全盛期でも5万人しか収容できなかったのに、この手のひらサイズの場所に3万人も住民がいるというの？きっと周辺の村の人口も含めて数えているのでは？
確かにこれらの四角いレンガの家は木造の平屋よりも多くの住民を収容できそうだが、人口の増加は単なる数字の積み重ねではない。人口が一定の限界を超えると、都市への要求は倍増する。まず食料と飲料水の需要が大幅に増加し、次にスラムの拡大による治安の悪化、そして最後には排泄物の処理さえも厄介な問題となる。
第二回神意戦争の後期、タキラもこのような問題に直面していた——各大都市が次々と陥落し、聖都に流入する人数が激増したため、許容量を超えた人口は防衛力を強化するどころか、むしろ都市全体をほぼ麻痺させてしまい、連合会が強制的に難民の一部を排除してようやく状況が安定した。
実際に経験したからこそ、アエゴサは都市の人口拡大の難しさを知っていた。相手の無関心そうな様子を見て、彼女は半信半疑になった。おそらくナイチンゲールは答えを知らず、ただ自分を騙しているだけなのだろう。
このような質問は今後ウェンディに尋ねた方がいいだろう、と彼女は考えた。少なくとも後者の態度の方が誠実に見えた。
人々で賑わう通りを通り抜け、アエゴサは王子たちについて土で築かれた城壁に登った。この低い壁は壮大さや堅固さとは全く無縁で、壁面には逆茂木も設置されておらず、周囲には城壁河もなかった。悪魔は工作機械すら必要とせず、手足だけで登れるだろう。
彼女の心の失望がさらに一段階深まった。
城壁には百歩ごとに前後に突き出た比較的広いプラットフォームがあり、床弩を設置するために残されたもののようだった。壁の上を歩いてしばらくすると、アエゴサはすぐにこの度のテスト対象を目にした。
武器の外観があまりにも特殊で、その存在を無視することは難しかった。
それは金属で作られた管状の物体で、何倍にも拡大された鉄の槍のようだったが、槍先がなかった。全体が滑らかで、銀灰色がかっており、鉄製品のようには見えなかった。管の後端の部品は比較的複雑で、固定用の支持台の他に、二本の短い管が主管の上下に密着しており、ロープも矢溝もなく、外見からは大型の床弩やカタパルトには見えなかった。
しかし、彼女はこの物体がどのように敵を攻撃するのかも理解できなかった。
「これが辺境町の最新開発兵器、正義と栄光の象徴である152ミリ要塞砲だ！」王子は手を上げて言った。「12ポンド野戦砲と比べて、多くの改良が施され、各種指標も優れている、まさに画期的な武器と言えるだろう！」
アエゴサは思わず眉をひそめた。正義と栄光だの、スタンダード要塞砲だの、聞いただけで軽薄な印象を受けた。後半の一連の説明は極めて難解で、完全に無理やり作り出した造語のように思えた。彼は本当にウェンディが言うような博学多才で、魔女たちから信頼されている王子なのだろうか？
「パチパチパチ」現場でナイチンゲールだけが拍手し、雰囲気は一時的に硬くなった。
「コホン」ローランは喉を清めた。「では余計な話は抜きにして、試射を開始しよう。アイアンアックス、始めてくれ」
「はい、殿下」統一された制服を着た三人が直ちに行動を開始した。
アエゴサは傍らに立ち、この武器の作動原理を理解しようと、彼らの一つ一つの動作を目を離さずに見つめていた。
一人が長管の後部の鉄のブロックを下げ、もう一人がすぐに管の中にオレンジ色の尖った物体を詰め、その後鉄のブロックを閉じた。
「報告します。準備完了、発射可能です！」
「皆、耳を塞いでください」王子は手本を示しながら頷いて言った。「発射」
ちょっと待って...こんなに早く準備ができたの？アエゴサが尋ねようとした瞬間、突然耳元で巨大な爆発音が響き渡った！彼女の頭の中で一瞬ゴーンという音が鳴り、周囲が急に静かになった。金属の長管の前部からオレンジ色の炎が噴き出し、それは眩しくも一瞬のことだった。その瞬間、彼女は炎に含まれる強大な力を感じ、足元の城壁が震えているようで、熱波が顔に押し寄せ、体がほとんど立っていられないほどで、二歩後ろに下がった。砲身も激しく後ろに沈んだが——すぐに元の位置に戻った。
「————」ナイチンゲールが後ろから彼女を支え、何かを言っているようだったが、断片的な微かな言葉しか聞こえず、まるで極めて遠くから伝わってくるかのようだった...耳鳴りが徐々に収まり、聴覚が正常に戻るまで、「大丈夫？」
彼女は首を振り、前方の広々とした雪原に目を向けたが、何の変化も見えなかった。
この炎は敵を威嚇するためだけなのだろうか？
「着弾地点は確認できましたか？」王子は傍らの緑髪魔女に尋ねた。
「小さな丘の後ろに着弾しました。最も近いのは赤い旗ですが」後者はしばらく観察してから、「それでもかなり遠いですね」
赤い旗？アエゴサは困惑してローランを見つめた。彼らは一体何を話しているのだろう？
幸いにも王子殿下はすぐに彼女の疑問を解消してくれた。「この武器は砲弹——弩矢と考えてもらえばいいですが——を発射して、まだ遠くにいる敵を攻撃することができます。砲撃範囲を観察するために、ライトニングに1000メートルごとに色付きの旗を立てさせました。赤い旗は最後の旗で、5000メートル先に立っています」と彼は説明した。「あなたの慣れた単位に換算すると、1000メートルは約300丈、つまり2里近い距離です」
アエゴサはその場で固まってしまった。相手の言葉の意味は、つまり先ほど装填した弩矢を10里先まで飛ばしたということなのか？ロープも蓄力機構もないのに、どうやってそれを実現したのだろう？魔力で駆動する攻城獣でさえ、最大射程は3〜4里しかない。もし彼が嘘をついていないのなら、高くて厚い城壁を建設し、この種の武器と組み合わせれば、効果的に悪魔の進攻を阻止できるはずだ。
しかし...これほどの射程を持つ武器は、一発発射するのもさぞかし大変なのだろう。
「砲弾の着弾地点が見えないのは何か物足りないな」と王子は顎に手を当てながら言った。「次は三連発の速射で近距離目標を攻撃してみよう」
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