しかし、予想されていた最終決戦は起こらなかった。
一人が女戦士の前に立ち、彼女の剣の柄を押さえた。
「全員下がれ」と彼の声は高くないが、はっきりと力強く、アレシアはその男が整然と隊列を保っている部隊の一員で、彼の腕甲には団長の紋章が付けられていることに気付いた。「神の罰軍が来た」。
彼女が顔をそむけると、遠くない場所から高身長の戦士たちが北門から一列に出てきた。彼らは明るいフルアーマーを着ており、雨水に濡れて銀色の光沢が反射していた。背中には赤いマントをかけており、手には各々武器を持っていた。盾と剣を持つ者もいれば、鎌と槍、または鉄製の斧を持つ者もいた。吊り橋を渡った後、彼らは再び整列することなく分散し、直接向かってくる邪獣に立ち向かった。
どういう戦術なのだろうか、これは単なる無茶な行動だ。力と速度が人間を遥かに上回るハイブリッド邪獣に対抗するには、隊形を保ち、全員の力を集中して打撃を加えるのが勝つ唯一の方法だ。彼らの現在の構えは、まさか一対一で戦うつもりなのだろうか?しかも、神の罰軍だけを戦わせ、自分たちはただ見守るだけなのか?
「私たちは彼らを支援しなければならない!」
「いらない」、その男は首を振り、顔色が少し暗くなった。「ただ見守るだけでいい。今のままで行くと、彼らを引きずり下ろすだけだから」。
引きずり下ろす?アレシアは怒って彼を睨んだ。この男は単に生き怕れの者というわけではないのか?彼女は剣の柄を強く握り、彼を迂回して戦闘に参加するつもりだった。新しい聖なる街の未来については混乱していたが、この時点では敵に向かって、彼女ができる唯一のことは戦死することだけであった。
しかし、二歩踏み出す前に、女戦士は信じられない光景を目の当たりにした。
飛行する異種の生物が空から急降下してきた。その姿は地狱からの使者のように恐ろしく、灰色の羽毛が生えた巨大な翼を広げると12フィートにも及べる。頭部は鳥のようで、その上には一対の羊の角が生えており、その爪は武士の胸甲を突き刺すのに十分な鉤爪が生えていた。
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