第301章 薬神閣薬師

景路の言葉は、方悦にそれほど大きな衝撃を与えなかった。

彼女は口元を押さえて軽く笑いながら言った。「景兄、それは違いますわ。私のような人間が、どうして心を動かされるなどということがありましょうか？ただ秦玉にはまだ価値があると思っただけです。」

「ふん。」景路は冷ややかに笑った。

「方悦、言っておくが、秦玉に公衆の面前で土下座させられたのはまだいい。奴のせいで、我が景家は滅びかけたんだぞ！」景路は歯ぎしりしながら言った。

方悦は少し驚いて言った。「どういうことですか？」

景路は冷たい表情で言った。「京都韓家の者たちに、私はほとんど殺されかけた。父が必死に手を尽くしてくれなかったら、今頃は死体になっていたところだ！」

「この小僧を許せると思うか？」景路は冷たい目で方悦を見つめた。

方悦は目を丸くして、明らかに理解できない様子だった。

当時、韓家は神薬空間にいた全員を殺そうとした。

そして方悦は、唯一それを逃れた者だった。

景路はそれで命を落としかけたが、韓家に対抗する力はなく、この恨みを全て秦玉に向けるしかなかった。

一方、秦玉は景路のことなど全く気にかけていなかった。

むしろ景路が面倒を起こしに来てくれれば、呑天術で吸収してやろうと思っていた。

「行こう」秦玉は姚青の手を引いて、薬材大会を歩き回り始めた。

たった一時間ほどで、秦玉の手には数株の百年薬材料が集まっていた。

この薬材大会で、百年薬材料がこんなにも簡単に手に入るとは、彼は思ってもみなかった。

「桃市でさえこれほどの恐ろしい資源があるのなら、まして京都はどうだろう？」秦玉は心の中で、強い危機感を覚えた。

韓威の持つ天然の資源と比べると、秦玉は確かにあまりにも窮屈だった。

大都市と小都市の最大の違いは、資源の差だった。

これこそが、無数の人々が必死になって大都市で足場を固めようとする理由だった。

「韓威との差を早急に埋める方法を考えなければならないな」秦玉は心の中で思った。

彼はこれらの薬材を全て空間法器の中に入れ、その後姚青と共に薬材を探し続けた。

この薬材大会の面積は非常に広く、村全体がほぼ使用されていた。

しかし二人は長い間歩いても、いわゆる薬神閣の薬師には出会わなかった。