第37章 誰もお前を救えない！

血まみれの口をした沈天を見て、その場にいた人々は息を飲んだ！

秦玉は沈天に手を出すなんて！しかもこんなに手荒く！

「こいつは終わりだな！」蘇妍と趙剛は心の中で狂喜した！なぜなら、沈天が秦玉を絶対に許さないことを知っていたからだ！

「ありがとうございます、秦さん...」雷虎は感謝の意を込めて言った。

秦玉は何も言わず、ゆっくりと立ち上がり、冷たい目で沈天を見つめた。

沈天は口の血を拭いながら、怒りの声で言った。「お前...俺を殴るとは！」

秦玉は冷たく言い返した。「何度も私を侮辱したが、私は大目に見てきた。それなのにお前は収まるどころか、さらにエスカレートさせた。何だ、私に怒りがないと思ったのか？」

沈天は激怒し、叫んだ。「てめえを潰してやる！」

そう言うと、沈天は拳を握りしめて秦玉に向かって突進した！

幼い頃から楚州戦区で訓練を受けてきた沈天の実力は、決して侮れるものではなかった。

しかし、秦玉の前では、少々物足りなかった。

秦玉は数回の回避で、沈天の致命的な攻撃を易々と避けた。

「終わったのか？」秦玉は冷笑した。

沈天は離れた場所で荒い息を吐きながら、目の前の秦玉を見つめ、怒りは更に増していった。

「終わったなら、今度は私の番だ。」秦玉は冷笑しながら、拳を握りしめて沈天に向かって強く振り下ろした！

秦玉の拳は極めて速く、その力も凄まじかった！遠く離れていても、その拳の比類なき威力を感じることができた！

沈天は顔色を変え、急いで横に避けようとした。

しかし残念ながら、彼の速度は遅すぎ、もはや間に合わなかった。

この一撃は、まともに沈天の胸に命中した！

「ドン」という大きな音とともに、沈天は数歩後退し、尻もちをついた！

「秦玉、お前を殺してやる！」沈天は目を剥き、怒りに満ちた表情を浮かべた！

秦玉は眉をひそめ、一歩前に出て冷たく言った。「お前のような人間は、少し懲らしめないと、永遠に改心しないだろうな。」

「顔お嬢さんの面子を立てて、今日は腕を一本折るだけで済ませてやる。」秦玉は一歩一歩、沈天に近づいていった。

沈天の顔色は一瞬にして真っ青になった！幼い頃から、ほとんど誰も彼を傷つけることはなかった！そのため、彼は無法無天になってしまったのだ！

そして今日、秦玉が彼の腕を折ろうとするなんて、夢にも思わなかった！