京城首都国際空港。
人の流れが非常に多く、飛行機を降りた葉辰は出口に向かって歩いていた。絶え間なく流れる人々と様々な案内板を見て、葉辰は少し途方に暮れた。
タクシー乗り場の看板を一目見て、足早にある場所へと向かった。
そのとき、二つの影が慌てて追いかけてきた。
「お待ちください」
声をかけたのは杜雲煙母娘だった。
葉辰は声を聞いて足を止め、二人を一瞥して眉をひそめながら言った。「何か用ですか?」
杜さんの母親は葉辰の前に来て、謝罪した。「先ほどの飛行機での出来事は大変申し訳ありませんでした。お詫び申し上げます」
「それに、今回助けていただき、ありがとうございます。あなたがいなければ、私はもう大変なことになっていたかもしれません」
非常に恭しい態度だった。
葉辰は首を振り、直接的に言った。「あなたを助けるためではありません。あなたが何かあれば、私の休息の邪魔になりますし、飛行機が緊急着陸することで私の時間が無駄になるのも嫌だったのです」
葉辰の口調はそれほど断固としたものだった。
母娘は少し奇妙な表情を浮かべた。相手が時間を無駄にしたくないという理由で助けたとは誰も想像できなかったが、達人は皆気難しい性格だということも知っていた。
杜さんの母親は何かを思いついたように口を開いた。「先生、京城は初めてですよね。どちらへ行かれるのですか?私と雲煙は京城の者ですので、お手伝いできると思います。それに、私たちの車はターミナルの下に停めてありますので、お送りすることもできます」
葉辰は断ろうと思ったが、考え直した。土地勘のない場所で、誰かに手助けしてもらえるのは良いことだと。
そこで、彼は直接言った。「京城師範大学付近の一番良いホテルまで送ってください」
「本当に京城師範大学へ行くんですか?」ずっと黙っていた杜雲煙が好奇心を持って尋ねた。
なぜか、彼女は葉辰を見る目に何か得体の知れない恐れを感じていた。
杜さんの母親は微笑んで言った。「先生、ちょうど良いことに、雲煙は京城師範大学の学生なんです。ただ、あの大学の近くには良いホテルがないんです。安いビジネスホテルばかりで、京城師範大学が新キャンパスを建設したばかりで、周辺の整備がまだ追いついていなくて、多くのマンションがまだ建設中なんです」
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