310 瑞岚の最後通牒、ベネットの決断

第三避難所の高塔で、ベネットは手を後ろに組んで窓の前に立ち、広場を行き交うプレイヤーたちを見下ろしながら、深い眼差しを向けていた。

ドアが開き、韓瀟が入ってきた。ベネットは振り向き、厳しい表情で「あの宇宙人はまだ生きているのか？」と尋ねた。

韓瀟が脇に寄ると、チェルローデも入ってきた。ベネットは目を細めた。初めて宇宙人を見た彼は、思わず何度も見つめてしまった。

チェルローデは不機嫌そうに言った。「アボリジニめ、何を見ている！」

「私たちの言葉を話せるのか？」ベネットは驚いた。

韓瀟は困ったように翻訳装置を指差し、説明すると、ベネットは納得した。

「宇宙人の技術は本当に高度だな」ベネットは感心しながら、二人を見比べて疑問そうに言った。「捕まえたはずなのに、どうして…」

「合意に達したんだ」韓瀟はチェルローデにこの後の会話を聞かせたくなかったので、彼の翻訳装置を外した。

「宇宙人のことをどうして知っていたんだ？」韓瀟は尋ねた。

ベネットは首を振り、重々しく言った。「瑞岚から連絡があったんだ。そうでなければ、宇宙人が降臨したことも知らなかった。彼らは君が宇宙人を捕まえたことを突き止め、密かに私に連絡してきて、宇宙人を彼らに引き渡すよう要求してきた」

瑞岚か？韓瀟はそれほど驚かなかった。当時のヒントから自分に辿り着くのは当然で、隠す必要もないと思っていた。

「断ったらどうなる？」

「彼らの公式見解は『武力行使も辞さない』というものだ。瑞岚は今回、非常に断固とした態度を示している」

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