埃が立ち込めていたため、誰も台上で何が起きているのか分からなかった。
人々は、その分を弁えない葉辰が奇妙な剣を取り出したことしか知らなかった!
問題は、その奇妙な剣がもたらした異象があまりにも恐ろしかったことだ!
まさか法器なのか!
全員が埃の立ち込める場所を食い入るように見つめていた。
徐々に埃が散っていった。
「誰が勝つのだろう?」場内の全員がこの瞬間、疑問を抱いた!
先ほどまで葉辰は皆に多くの衝撃を与えていたため、今や彼らは軽々しく判断を下すことができず、ただ台上の二人を食い入るように見つめるしかなかった。
「守護者に何かあったんじゃないか?煙が立ち上った瞬間、相手の苦しむ声が聞こえたような気がしたんだが……」
「馬鹿言うな、守護者に何かあるわけないだろう?あの葉辰はとっくに血霧と化しているはずだ。」
しばらくして、埃が消え、すべてが静かに、そして鮮明になった。
誰もが見込みのなかったあの傲慢な青年が、今や天地の間に傲然と立っていた。
非常に衰弱していたが、その冷たい眼差しは依然として人々に恐れを感じさせた。
「まだ生きているのか?ありえない!」
「このやつ、命が強すぎるだろう?」
群衆が議論している最中、突然、誰かが何かを発見し、瞳孔が急激に縮み、ある方向を必死に指さした!
叫びたくても声が出なかった!
「死んだ、守護者が死んだ!」
群衆は驚愕し、無数の視線がある方向に向けられた!
唐装の遺体が、一振りの剣に貫かれ、数十メートルの高さの壁に釘付けにされていた!
周囲は崩壊し、鮮血が壁を染めていた!
まるで天神が凡人に下した審判のようだった!
しかもこのやり方は、あまりにも世間を震撼させるものだった!
この光景に、全員が思わず息を呑み、顔には信じられない表情を浮かべていた!
場内は静まり返り、とてつもなく静かになった。
一剣の下、あの若者は守護者を一人斬り殺したのだ!
これは一体どんな狂人なんだ!
しかも守護者がこんなに弱かったとは!
「はっ」
場内に傲然と立つ青年を振り返り、人々は思わず冷気を吸い込んだ。
「ごくり」苦労して唾を飲み込み、体は更に震えていた。
江老爺子は尻もちをつき、口の中で何かをぶつぶつと呟いていた。
不安と期待が入り混じっていた。
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