葉辰は公園のベンチでタバコを数本吸い、思考を整理してから携帯を取り出して葉凌天に電話をかけた。
「幽魂監獄についてどれくらい知っているか?」
電話の向こうの葉凌天は困惑した表情で首を振った。「殿主、そのような名前は聞いたことがありません。」
「今後、京城の調査の際に、ついでに幽魂監獄についても注意を払ってくれ。」
「はい、殿主!」
その後、葉辰は雷樹偉にも電話をかけた。龍魂の情報システムはより完備されているはずだが、得られた答えは同じだった。
まるでこの世界に幽魂監獄など存在しないかのようだった。
電話を切った葉辰は深い思考に陥った。「龍魂も知らない存在か。この世界に本当に幽魂監獄なんてものが存在するのだろうか?」
江剣鋒は彼に対して敵意を持っているものの、嘘をついているとは思えなかった。
それ以上考えるのをやめ、葉辰は立ち上がって公園を出ようとした。
彼が顔を上げると、蒼穹の上にある血竜の幻影と数秒間見つめ合った。血竜の幻影は天空から急降下してきた!
轟く暴風と龍の咆哮が絶え間なく響き渡る!
「ドン!」
最後には彼の体内に直接突っ込んでいった。
この血竜の幻影は最近発見したもので、自分にしか見えないと思っていたが、今となっては江剣鋒のような強者も察知できることがわかった。
この血竜の幻影がどのように形成されたのかはわからないが、自分にとって害はないはずだ。
血竜の幻影が彼の体内に入ると、輪廻墓地が震動した!
三番目の墓碑がさらに数本のひびが入り、一つの幻影がゆっくりと現れ始めた。
形が凝縮されていく。
黒い袍を纏った老人で、その目は冷たい光を放ち、人の心を震わせた。
黒袍の老人は後ろにある百基近くの墓碑を一瞥し、その瞳は極めて重々しく複雑だった。「我々が運命を一人の若造に託すことが、本当に価値があるのだろうか?」
言葉が落ちると、輪廻墓地に突然風が吹き始めた。
風が通り過ぎると、黒袍の老人の姿は完全に消散した。
輪廻墓地は再び静寂を取り戻した。
通常、墓碑の中の大能は葉辰が引き出さない限り出てこられないはずだが、今回は自ら現れた。
極めて不可解だった。
しかし外にいる葉辰は気付いていなかった。彼は小邓が車を停めている場所へ向かい、鳴翠別荘に戻ろうとしていた。
突然、葉辰は足を止めた。
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