「気血丹?」宋書航の両目が輝き出した。これは予想外の嬉しい驚きだった!こんなに早く気血丹を手に入れられるとは思ってもみなかった。'白真君の接待'という任務を引き受ける前、宋書航は現段階で気血丹を手に入れることは贅沢な望みだと思っていたほどだ。
「運が良かったな」薬師は言った。
つい先日まで北河散人が気血丹と功法で宋書航を誘惑して'白真君の接待'の任務を引き受けさせようとしていたのに、あっという間に宋書航自身が気血丹を手に入れてしまった。数は少ないとはいえ……
伝説では善人には善報があるという……宋書航というこの善人が長年積み重ねてきた徳が、ついに爆発したというわけか?
しかし、よく考えてみれば、これも道理の中だった。
討伐された壇主は二品修士だった。
淬体液は壇主にはもう必要なく、部下への褒美として用意していたものだ。
そして気血丹は、主に一品修士が服用する丹薬ではあるが、ある程度は二品修士の真気も回復できる。その壇主は恐らく修士の中でも比較的貧しい部類で、より貴重な'合気丹'を手に入れられず、'気血丹'で間に合わせていたのだろう。
また壇主は慎重な性格で、自分にとって貴重なものは全て身につけて持ち歩いていた。
結果として、それらは全て宋書航の手に落ちることになった。
「気血丹は、一粒で私の気血を全て回復できる。この二瓶あれば、しばらくは持つでしょうか?」宋書航は尋ねた。
薬師は頷いて言った:「昼夜を問わず修練しなければ、しばらくは持つだろう。それにこの気血丹は質もなかなかで、一粒で数回使用できる」
「それなら、当分の間は気血丹に困らないということですね?!」宋書航の目が再び輝いた:「薬師先輩、今から北河先輩に'白真君の接待'の件を断りに行くのはどうでしょう?」
「ふふふ」薬師は答えず、ただ優しげな奇妙な笑いを漏らした。
あの言葉は何だったっけ:道友が死んでも貧道は死なず?
そう、まさにその通りだ!
……
……
「冗談です」宋書航は肩をすくめた——二瓶の気血丹では少なすぎる、全部で二十六粒しかなく、白真君が出関するまで持つかどうかも問題だ。この程度の量では、せいぜい気血丹の効果を試してみる程度だろう。
最後に、彼はA5サイズの本ほどの大きさの金属の箱を取り出した。
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